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10倍の電力を供給でき、再充電可能なフレキシブルバッテリーを開発

JacobsSchoolNews/YouTube

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、面積エネルギー密度が現行技術よりも5~10倍大きく、再充電可能なフレキシブル酸化銀亜鉛バッテリーを開発した。ポリマーフィルム上にスクリーン印刷でき、製造性も優れている。小型化が可能であり、用途に応じてカスタマイズできることから、ウェアラブルやソフトロボットなど、柔軟性と伸縮性が要求されるデバイスへの応用が期待されている。ZPowerとの共同研究による成果が、『Joule誌』2020年12月7日号に掲載されている。

5GやIoT市場の急速な拡大で、面積エネルギー密度が高く、小型化かつカスタマイズできるフレキシブルバッテリーが求められている。研究チームは、ZPower社が保有する陰極化学組成設計に関する独自技術に着目し、ボタン電池として広く使われている酸化銀電池を、再充電可能なフレキシブルバッテリーに変えることにチャレンジした。

酸化銀電池は、陰極材料としてAg2O組成を用いており、サイクル寿命が短くかつ容量も低いため、主に低電力用使い捨てボタン電池に用途が限定されている。一方、陰極材料としてAgOを用いるとエネルギー密度を向上できるものの、AgOは電気化学的に不安定という問題がある。そこで研究チームは、ZPower社独自の酸化鉛コーティングを活用し、AgOの電気化学的安定性の向上に成功した。また、陽極材料としてZnを用いたAgO-Znバッテリーでは、インピーダンスを低下させ導電性を向上させることが判った。その結果、リチウムイオンバッテリーの10~20倍となる54mAh/cm2の面積容量を示し、エネルギー密度として5~10倍大きい電力を供給できることを示した。

製造プロセスの観点では、AgOは極めて酸化性が強く急速に劣化するので、これまでスクリーン印刷に適用するのが難しかった。研究チームは、様々な溶媒とバインダーについて探索して、AgOに適したインク配合を発見。ロール焼付けが可能で、製造速度を上げスケールアップも可能なことも明らかになった。

研究チームは、ポリマーフィルム上に集電体、Zn陽極、AgO陰極、および対応するセパレータを集積したバッテリーにより、マイクロコントローラとBluetoothモジュールを備えたフレキシブルディスプレイシステムに電力供給し、従来のリチウムコインバッテリーよりも高い性能を示すことに成功した。

印刷されたバッテリーは、容量の大きな損失を示すことなく80サイクル以上も再充電でき、また、繰返して曲げや捩りを加えても、機能を維持することができた。研究チームは、次世代5Gデバイスやソフトロボットに必要な、もっと安価で高速充電可能な、より低インピーダンスで高電力出力のフレキシブルバッテリーを目指し、研究を進めている。

fabcross for エンジニアより転載)

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