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あらゆる周波数帯で高い吸音率——音響メタマテリアル技術を採用した吸音材「iwasemi」

ピクシーダストテクノロジーズ(以下、 PxDT )は2021年3月4日、近年注目される社会課題の一つである騒音問題を解決するため、音響メタマテリアル技術を用いた吸音材「iwasemi」を開発したと発表した。

音響メタマテリアル技術は、メタマテリアルの概念を音響分野に適用することにより、自然界にはない音響特性を持った物質を生成する技術だ。これにPxDT独自の吸音設計技術を応用したものがiwasemiとなる。

iwasemiは、柔軟な吸音周波数特性を備えている。グラスウールなどの素材を用いた一般的な吸音材は、高帯域になるにつれて吸音率が上がる。しかしiwasemiは、特定の周波数帯のみ吸音率が上がる性質や、低帯域から高帯域まで満遍なく高い吸音率を示す性質など、適用シーンに応じて柔軟な吸音周波数特性を利用できる。

高い吸音率と薄型化も両立した。一般的な吸音材の吸音率を上げるためには吸音材を厚くする必要があるが、iwasemiは吸音材を厚くせずに吸音率を上げられるため、一般的な吸音材と同等の吸音率を保ったまま薄型化できる。

 

素材の選択自由度と加工自由度も高い。一般的な吸音材は、グラスウールなどの多孔質構造を採用しているため、意匠性や強度が制限される。一方、iwasemiは共鳴構造を採用しており、ABSやステンレス鋼、アクリルなどのさまざまな素材を用いて高い吸音率を達成できるため、意匠性や強度のある吸音材を実現できる。

(左)ABS製iwasemi(中央)ステンレス鋼製iwasemi(右)アクリル製iwasemi

iwasemiの適用シーンは工事、建材、什器、鉄道、自動車などさまざまな分野にわたる。PxDTは分野横断的に適用可能な標準製品の販売を開始するとともに、適用シーンに合わせたカスタマイズ品の社会実装に協力してくれるパートナー企業の募集も開始するとしている。

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