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信州大学、柔軟かつ圧電性能に優れた圧電ナノファイバーセンサーを開発

信州大学が、人型ロボットの開発に応用できる柔軟で高い圧電性能を備えた圧電ナノファイバーセンサーを開発した。

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研究チームは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)/ドーパミン(DA)ナノファイバー膜と、超微細PVDF/DAナノファイバーで構成され、連続で均一に分散した二次元トポロジカル構造を持つ高性能複合ナノファイバー膜を、エレクトロスピニング技術によって作製した。

トポロジカルは、スター構造やリング構造などのネットワーク形状のことで、二次元トポロジカル構造は平面上に展開したネットワーク構造だ。エレクトロスピニング技術は、紡糸ノズル内のポリマー溶液に高電圧を加えてナノファイバーを生成する製法のことを言う。

研究チームが開発した圧電材料は、25×25mm(625mm2)の面積、圧力1.5Nの条件で、出力電圧は最大14.3Vを示した。また、1.5~40Nの広い応答範囲を持ち、弱い力に対する高い感度(0~4N、7.29VN-1)と優れた動作耐久性を持つ。ナノファイバーセンサーの従来の研究結果と比較して、感度が5~6倍以上向上。高い感度を維持したまま圧力範囲が広いため、さまざまな圧力条件下での応用が可能だ。また、1.5N程度の圧力で14.3Vの圧電電圧を発生させることができるため、人体のわずかな動きを察知して電気エネルギーに変換できる。この特性を利用すれば、微小な物理現象から力学的エネルギーや熱エネルギーを取り入れて電気に変換する、ナノ発電機として活用できる可能性もあるという。

研究チームは、この圧電ナノファイバー技術には人間の微妙な動きや生理学的信号をモニタリングするウェアラブルセンサーへ応用できる可能性があるとしている。

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