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アルキメデスのポンプで潮力発電を目指すイギリスのスタートアップ

Spiralis Energy/YouTube

イギリスのスタートアップSpiralis Energyは、エネルギー大手National Gridとの15年の契約入札に向け、2025年に500kWクラスの潮力発電システムを構築するための資金を集めている。

Spiralis Energyが開発しているのは、「Axial Skelter(アキシャル・スケルター)」と名付けられた潮力発電装置で、海峡を通過する潮の流れから、大型の「Archimedes’ screw(アルキメデスの螺旋)」と呼ばれるスクリューポンプを使って発電するのが特徴だ。古代ギリシャの発明家アルキメデスが発明したとされるこのスクリューポンプは、螺旋を通過する流体のエネルギーを回転エネルギーに変換することができる。同社独自の技術として、スクリューの断面形状はエアロフォイル(翼断面)となっており、スクリュー上下に生じる圧力差によって、一般的なスクリューポンプよりも多くの回転トルクを生成することができるという。

発電システム全体はモジュラー構造としており、主要な部品は世界のどこででもロボットを使って3Dプリンターで製造できる。キットとして設置する海峡に輸送し、現地で組み立てることが可能だ。使用中にスクリューが破損した場合、その部分を取り外して溶かし、プラスチックを再利用する形で3Dプリントすることもできる。

同社は2024年5月にAxial Skelterのプロトタイプを使った実証実験を実施しており、実際に海中でどの程度の出力が得られるのか、シミュレーションと比較している。YouTubeで公開された動画によると、2.2~2.5kWの出力が得られており、これはほぼ想定通りの値とのことだ。フルサイズのシステムでは、毎秒3.5mの潮流で500kWを出力する予定だ。

fabcross for エンジニアより転載)

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