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Makers’ Base連載企画「こじれたオトナのピタゴラスイッチ大会」

オトナも大好き、ピタゴラ装置を作ろう!

仕掛けは全て、家にあるもので:Makers’ Baseピタゴラ第1の装置

小さいころから工作が好きだという、会社員の方が作ったのがこちらの装置。ピタゴラスイッチ大会の情報を見かけて、「面白そう!」と思ったのがきっかけでのご参加でした。

「コンセプトはなるべくお金をかけないこと」と作者が言い切るこの装置の材料は、ほぼ全てご自身の家にあったものです。輪ゴム、文庫本、ボビン、割りばしなどなど、確かに家を探せば見つかりそうなものばかり。材料の特徴をうまく生かす工夫が随所に見られます。

まずスタートは、割り箸とまち針でできたスロープ。ここを金属のボールが転がり落ちます。ただの金属球ではなく、「オルゴールボール」と呼ばれる独特の音を奏でるボールを使っているところに、センスが感じられます。

このボールがスロープを転がりきると、瓶のふたと木の棒で作ったスイッチにぶつかり、押さえてあったゴムのバネがその衝撃で作動、木の棒が動き、糸を引っかけて次の装置へと動きを伝えます。 

シンプルだけど、ディテールに凝る:Makers’ Baseピタゴラ第2の装置

「第1の装置の作者とは姉妹で、誘われて参加しました。」という作者の方が制作した第2の装置。こちらも家や職場にあった段ボールや折り紙など、身近なものを材料に作られています。

紙を切って貼って構造を作るだけでなく、折り紙を使ってカラフルさを出したり、スロープの最後に取り付けられた小さな鈴がビー玉とぶつかってチリンと音を出す仕掛けが付けられていたりと、楽しさがちりばめられた作品になっています。

第1の装置の最後で棒に引っかかる糸は菜箸につながっており、菜箸が引っ張られて外れることでビー玉が動き始めます。転がり始めたビー玉は、色とりどりのスロープを次々と下り、最後にドミノにコツンとぶつかります。 

走れブラシ!:Makers’ Baseピタゴラ第3の装置

次々と倒れるドミノが行き着くのが、エンジニアが制作した、このブラシのような第3の装置。金属の毛が一方向に曲げられたブラシに、振動モーターと電池ボックスが取り付けられています。

ドミノが最後まで倒れると、振動モーターを止めるスイッチを押さえるために載せられていたビー玉をはじき落とします。すると振動モーターが動き出し、テーブルに敷かれたレールに沿って、小刻みに振動しながらまっすぐブラシが走り出します。ブラシが一直線に動き出す様子は不思議なものがありますが、仕組みとしては、ネコジャラシの穂先を手の中に入れて何度も軽く握ると、だんだん手から出てくるのと同じ原理です。説明してしまえば仕掛けは簡単ですが、「ビー玉をはじき落とせば動く」はずが、倒れてきたドミノがスイッチを押さえてしまうなど、シンプルな仕掛けを作動させるには、繰り返し細かな調整が必要でした。

この第3の装置は、第5の装置へと動きを伝える働きをするだけでなく、第4の装置の動力源ともなっています。 

装置にちょっとしたファンタジーを:Makers’ Baseピタゴラ第4の装置

「大会に参加するつもりはなかったのに、どうしても気になって、気付いたらおとといから作っていました……」と語るデザイナーが作ったのが、こちらの第4の装置。職場にある廃材や、100円均一ショップで手に入れたものを材料にしています。実は、こちらの装置は動力を伝える仕掛けではなく、装置全体に遊び心を与える仕掛けになっています。

第3の装置の後ろには糸が取り付けられており、走り出すと、この第4の装置の仕掛けを動かす仕組みになっています。第3の装置に引っ張られた糸は、シャボン液に浸されていたシャボン玉の吹き口を、滑車越しにスルスルと引き上げていきます。すると、引き上げられた先には小さな扇風機が待ち構えていて、シャボン玉がふわふわと吹き出される、というユニークな装置です。

装置の機構は安定して動くのですが、途中で「シャボン玉がなかなかうまく出てこない」という課題に直面。吹き口の位置を調整したり、キッチンにあった洗剤をシャボン液に混ぜ、大きなシャボン玉が出るシャボン液をその場で調合したりと工夫をし、ピンポン球ほどのシャボン玉を出す装置が完成していました。

動きを伝える機能は備えていなくても、うまくシャボン玉が出てくると、何だかその場にいる全員が嬉しくなってしまう。そんな働きをする装置です。 

本家から学ぶ:Makers’ Baseピタゴラ第5の装置

「ノーアイデアで会場に来たけれど、この場にあった材料を使って、ピタゴラスイッチで見た仕掛けを作ってみました」という、当日の即興で生まれたのがこちらの装置。本家の番組内では「ジグザグ坂道」として紹介されている仕組みです。

ステンレス定規の両側に、交互に洗濯ばさみを取り付けた一見シンプルなこの装置。テレビで観ていると簡単そうに見えるのですが、実はなかなか調整の難しい装置だということが、挑戦してみて初めて分かりました。テレビで放映されるのは、気持ちよく左右にジグザグを描きながらビー玉が転がる姿なのですが、少し洗濯ばさみがずれてしまっただけで、ビー玉はコースアウトしてしまいます。最後は1mm単位で位置や角度を調整していきました。テレビでは安心して眺めていたのに、自分たちで挑戦してみると、うまくいくのかとてもハラハラしてしまいました。

転がり落ちたビー玉は、最後にドミノへとぶつかり、第6の装置へと動きを伝えます。

ところが、次の第6の装置は、今回のピタゴラスイッチ大会最大の難関となったのです。 

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