新しいものづくりがわかるメディア

RSS


Makers’ Base連載企画「こじれたオトナのピタゴラスイッチ大会」

オトナも大好き、ピタゴラ装置を作ろう!

魔のカラフルトランポリン:Makers’ Baseピタゴラ第6の装置

第5の装置が倒したドミノは、第6の装置に設置された小さな鉄球にぶつかり、菜箸をレールに転がり始めます。転がりきった先に待ち構えているのは、小鉢に色とりどりの風船のゴムを張った、たくさんの小さなトランポリン。このトランポリンが、Makers’ Baseピタゴラ装置最大の難関となりました。

トランポリンの位置や角度を、鉄球が次々と跳ねて進むように何度も何度も調整し、「これならうまくいく!」という状態を、時間をかけて試行錯誤しながら探っていきます。ところが、調整がうまくいってもしばらく時間が経つと、なぜか思わぬ方向に鉄球が跳ね飛んだり、トランポリンのフチにコツンと当ってはじかれたりと、失敗してしまうようになります。どうやら時間の経過に伴って、ゴム膜の張り具合がどんどん変化してしまうようなのです。

では、どうやってこの装置を成功させたかと言えば、それは「根気」の一語に尽きるでしょう。失敗したらどこがうまく機能していないか検証して、もう一度最初から調整。また失敗したら検証と調整。このサイクルをひたすら繰り返していきました。

最後には、この装置を無事に鉄球が通過しただけで、全員がもろ手を挙げて喜ぶようになっていました。鉄球はさらに転がり、第7の装置へと続くドミノを倒します。 

鉄球ジェットコースター:Makers’ Baseピタゴラ第7の装置

第7の装置はこれまでとは打って変わって、身近な材料をもとに制作したものではなく、レーザーカッターで加工したMDFのパーツを組み立てた、ジェットコースター状の装置です。作者によれば、「ピタゴラスイッチ大会が楽しみで、仕事が終わった後に徹夜したりしながら作りました」とのこと。もはやピタゴラ装置と言うより、製品として完成したような姿をしています。

第6の装置が倒したドミノが、第7の装置のスタートに置かれた鉄球のストッパーを外すことで、仕掛けが動き始めます。カタコトと鉄球はスロープを下り、MDFと木の丸棒で作られたチェーンに取り付けられた小さな箱に飛び込みます。と同時に鉄球がモーターのスイッチを入れ、チェーンがゆっくりと回り始めます。ちょうど、ジェットコースターが最初の坂道を上っていくような姿です。小さな箱が上まで移動すると、今度はそこで待っていたソリに鉄球が転がり込み、スルスルとスロープを一気に滑り落ちます。

チェーンの細かさを考えると、恐らく事前に制作するのに、一番時間をかけて苦労した装置なのではないでしょうか。この装置を通しての発見は、「設計されたものは、調整が難しい」ということでした。きっちりリンクする前提で各所を作っているため、うまくいかなかったときにちょっとずらす、というような細かな調整に苦労されていました。ピタゴラ装置がいろいろなものの組み合わせでできているのは、調整や試行錯誤がしやすい、という理由もあるのかも知れません。

こうしてジェットコースターを滑り落ちた鉄球が、次の装置へとリンクします。 

「どうしても、犬が使いたかった」:Makers’ Baseピタゴラ第8の装置

作者が「ピタゴラ装置を作ると考えたときに、なぜかパッとおもちゃの犬を思いついて、即座におもちゃ屋へ買いに行きました」と話す、鳴きながら歩くおもちゃの犬が印象的なこの装置。犬を軸に面白くアイデアを膨らませて出来上がりました。

第7の装置から転がり落ちた鉄球が、第8の装置のスロープに設置された、進行方向に針を取り付けてあるミニカーのストッパーを外します。ミニカーはスロープを走り出し、その先にある水風船を突き刺して割ります。するとじょうごを伝って下の容器へ水が流れ落ち、容器に入っていた発泡スチロールが徐々に浮き上がってきます。発泡スチロールの上に乗った棒もゆっくり持ち上げられ、棒に取り付けられたナイフがだんだんと滑り出し、ナイフは前に歩こうとする犬のおもちゃを止めていた紙テープを切断します。すると、犬のおもちゃは最後の装置に向けて歩き出していきます。

ミニカーに水風船に犬のおもちゃと、子どもが喜びそうなおもちゃばかりで構成されていて、一見かわいらしいのですが、よく見ると針やナイフなど危険な道具と組み合わされているという、材料の選び方と機能のさせ方が非常に面白い装置です。 

ピタゴラゴールすら、自分で作る:Makers’ Baseピタゴラ最後の装置

第7の装置に続き、全てMDFで作られたこの装置。最近ピタゴラゴール1号が発売されましたが、今回のピタゴラスイッチ大会では、そのピタゴラゴールすら自分たちで作ってしまいました。

第8の装置で歩き出した犬のおもちゃは、最後の装置の最下段に据えられた、木のボールにぶつかります。木のボールはその衝撃でストッパーを乗り越え、転がり始めます。ところがゴールは最上段。動きを上に伝えていくのは、各段の端に設置された、ネオジム磁石を使ったアナログなスイッチです。下の段でスイッチにボールが当たると、衝撃を受けたスイッチ内で磁石が引き合い、連動して上の段のボールが強く押し出されます。そのボールがまたスイッチを押し、もう1つ上の段のボールを押し出し、そのボールがまたスイッチを押し……というプロセスを経て、次々と上の段のボールが動いていきます。

こうして伝えられていった動きは、最後のスイッチにぶつかります。すると、旗が飛び出し、ゴールにたどり着いたことを知らせます。長いピタゴラ装置の旅が、ここでようやく終わります。

成功を喜びながら、最後は参加者全員で記念撮影! みなさん、満面の笑みでのお開きとなりました。 

第2回開催決定!

ここまで読み進めて、「私もやりたい!」と思ったみなさんに朗報です。

「こじれたオトナのピタゴラスイッチ大会」、2015年7月11日(土)に第2回目の開催が決まりました。時間は12:00~22:00、Makers’ Base内1階の木工エリアにて実施します。

装置は事前に作って持参しても、当日ゼロから作り上げてもOKです。それぞれの装置が出来上がったら、皆で試行錯誤してつなぎ合わせていきます。

作り方や材料は自由(ただし、失敗してもやり直せるものを推奨します)。新しい装置を生み出すもよし、ピタゴラスイッチで観たあこがれの装置を作るもよし。動きを伝える面白い仕組みのある装置を作って、みなさんもぜひご参加ください! 参加申し込みは、こちらから受付中です。

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る