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新製品レビュー

サードパーティのフィラメントに対応しレーザー刻印もできるようになった「ダヴィンチ 1.0 Pro」

XYZプリンティングジャパンは2016年2月、3Dプリンタの新製品「ダヴィンチ 1.0 Pro」を発表した。同社ではプロフェッショナルユーザー向けモデルに分類しており、価格はエントリーユーザー向けモデルの「ダヴィンチ 1.0A」と同じ比べて3万円高い9万9800円(税込)となっている。今回はダヴィンチ 1.0 Proの実機検証を、「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」でおなじみの東京メイカーの毛利さんの協力のもと行った。(取材、撮影:越智岳人、文・構成:元田光一)

1.0Aから進化したのはどこか

筐体サイズは1.0Aとまったく同じ(468×558×510mm)。操作パネルの液晶ディスプレイも2.6インチのモノクロ画面と、1.0Aから変わっていない。見た目で違いがわかるのはカラーリングくらいだ。前回のレビュー記事で紹介した「ダヴィンチ 1.1 Plus」にはカラー液晶のタッチパネルが搭載されたが、あえてモノクロ画面にしたのは価格を抑えるための選択だろう。その他では、1.1 Plus同様Wi-Fi機能が新たに搭載され、設置場所を選ばないワイヤレス接続が可能になった。

「初心者ならばカラータッチパネルによるオペレーションも便利なのですが、それ以上のユーザーならばモノクロ画面とボタンによる操作でも十分です。むしろシンプルにして、コストダウンを重視した方が好まれるのではないでしょうか」(毛利さん)

本体のオペレーションは1.0A同様にモノクロ液晶画面とボタンで行う。 本体のオペレーションは1.0A同様にモノクロ液晶画面とボタンで行う。

キャビネット内の構造については変化がある。プラットフォームの素材が、1.0Aのガラスから1.0 Proではアルミニウムに変わっている。熱伝導を均一化する目的もあるようだが、後述するレーザー刻印機能が新たに搭載されたことで、対象物を置き忘れたり、対象物の大きさを超えたりしてプラットフォームに直接レーザーがあたった場合のダメージも考えてのことではないだろうか。

「これまでにも、PLAを無理やり剥がそうとするなど乱暴に扱ってガラスを割ってしまったケースも多いと聞きます。そのようなことからも、今後も同シリーズではアルミが採用されるかも知れませんね」(毛利さん)

プラットフォームはガラス製からアルミニウム素材に変わっている。 プラットフォームはガラス製からアルミニウム素材に変わっている。

一方で、キャビネット内のスペース効率はあまりよくない。1.0Aではキャビネット内に、ヘッドから射出された不要なフィラメントを自動的に拭き取って溜めておくダストボックスがあった。しかし、1.0 Proでは不要なフィラメントはプラットフォームに吐き出されるので、ダストボックスがなくなったスペースを有効に活用して、より大きな造形物が作れるようにしてほしいところだ。

「1.0 Proの最大プリントサイズは幅×奥行き×高さともに200mmまでですが、せめて幅250mmのものが出力できればいいと思います。造形サイズが大きくなることで、一般的な生活用品なども作ることができるようになり、より実用的に使えるようになるのではないでしょうか。逆に最大プリントサイズが1.0Aと変わらないならば、本体の大きさをもう少し小さくしてほしかったです」(毛利さん)

キャビネットの中はまだスペースに余裕があるように見える。 キャビネットの中はまだスペースに余裕があるように見える。

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