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100均グッズからアクセまで、なんでも鏡にする工場に行ってきた

鏡って楽しい! 何時間でも見ていられる!
それも自分が作った鏡となれば楽しさもひとしお。そう、鏡って自分で作れるんです……!

あなたが落としたのは赤いおのですかー?

それともピカピカのおのですかー?

えーと、どっちも違います。おのは落としてません。(持ってないし)

とかいって、2つのおのは同じもの。
アルミ蒸着という技術によって、もともと赤かったおのの表面を鏡のようにピカピカに、 というか、鏡にしたものなのである。

現役モデルの梨衣名さんによるものづくりシリーズ、今回は埼玉県川口市にあるコミーにお邪魔して、いろ~~んなものを鏡に変身させてしまおうという企画だ。というのもこのコミーさん、世の中のあらゆるシーンで役立つ「ミラー(鏡)の開発」で、イノベーションを起こしている注目企業なのである。世界初の、フラットなのに視野が広い「FFミラー」とか、スマートなデザインで店舗の売り場に溶け込むやわらかミラー「ラミ」(グッドデザイン賞受賞)などなど、鏡の概念を打ち壊すオリジナル商品を次々と開発するミラー業界(ってあるのか?)のトップランナーといえるのだ。

開発拠点として2013年に開設した「Komy Laboratory」には、成形品の検査や新製品開発時の試作を作るために蒸着機を導入。アルミを溶かして気化し、膜を作ることで、さまざまなものの表面がミラー化するのだそうな。

……ミラー化!!!!!!

なんかテンション上がるフレーズ。

あれもこれもピカピカのキラキラにしてしまえるの? とか。
なんなら「鏡の国の梨衣名」? とか!

そんな新感覚の興奮に包まれてスタートしました。

2013年にオープンしたKomy Laboratory 2013年にオープンしたKomy Laboratory

真空状態で気化したアルミを蒸着

コミーさんでは、開発部長さんと二人の女性スタッフがお相手してくれました。

まずは、蒸着のしくみについてレクチャーを受ける。蒸着機の中に、アルミ片とミラー化したいもの(被蒸着物)を入れて密閉。15分ほどかけて真空状態にしたあと、フィラメントに電流を流すことでアルミを溶かし気化させる。気化したアルミが中に充満し、被蒸着物の表面に付く。付いたアルミが一瞬で液体化→固体化することにより表面に薄い膜を形成する。その膜がミラー状になる……という原理なのだそう。

ホワイトーボードに図を書いて丁寧に説明いただく。気化とか真空とか、そんな単語に目がキラキラ輝き出す梨衣名さんだった。

蒸着機。左上のメッシュ部分(ベルジャー)の中で蒸着が行われる。 蒸着機。左上のメッシュ部分(ベルジャー)の中で蒸着が行われる。

今回は工程というほどのものはなく、ベルジャー(釣り鐘型の容器)の中にセットしたらあとは機械がやってくれる。気圧のコントロールのみ手動で行うが、それはスタッフの方に一任。

ミラー化してピカピカにするために持ってきたいろいろなもの。 ミラー化してピカピカにするために持ってきたいろいろなもの。

100均やプチプラショップで買ったジャンクなアクセも、ピカピカになるときっとリュクスな雰囲気になるはず。プラのおもちゃもピカピカになるときっときっとメタリックな高級感を醸すはず。なんもかんもがピカピカ、キラキラのミラー化! 

と、心はずませ、いよいよセッティング。

タングステンのフィラメントにアルミチップをセット。 タングステンのフィラメントにアルミチップをセット。

真空になるとフィラメントの両極に電流が流れるしくみ。そして、フィラメントの上にアルミチップを載せる。被蒸着物の量や性質などによって、セットするチップの数を調整する。コミーさんでは反射率のよい鏡を作るため、純度99.9%のアルミを使っている。

アルミチップ。1つが約0.02g。 アルミチップ。1つが約0.02g。

ミラー化するものを用意する。フィラメントと近すぎると溶けてしまうので、距離感は大事。筒型のベルジャーに合わせてカーブさせたメッシュに、持ち込んだアクセサリーなどをセット。

金属のものや羽根みたいな柔らかいものなど、素材も形もさまざま。

太陽の光を浴びて日焼けをするときのように、側面や裏側には届かず、アルミ片に向き合っている面のみに付くのだそう。

ふたをして、密閉する。 ふたをして、密閉する。

ベルジャーの中にセット。

スタート。まずは15分ほどかけて真空状態にする。真空にするのは、空気の粒子にじゃまされず、気化したアルミができるだけ真っ直ぐ飛ぶようにというのと、アルミ自体を酸化させずに蒸着するためなのだそう。

真空引きは二段階に分けて行う。最初は「粗引き」といって5パスカルほどまで下げる。次に「本引き」といって、0.035パスカルまで下げる。この数字は、アルミを溶かしても不具合が出ない目安として試行錯誤のうえ、固まった。

真空状態になったら、電流を流す。フィラメントが熱くなり、上に載せたアルミが溶け始める。アルミは常圧の場合、融点は660℃、沸点は2500℃なので、真空状態だともっと低い状態で気化するはず。温度が上がっていくと中はどんどん明るく光るが、アルミが溶け始めると一度暗くなる。これはアルミが溶けるのにエネルギーが使われるためだという。30~40秒ほどでまた光り出す。その頃には気体になって、一緒に入れたアクセサリーにくっつき始めている。

蒸着が完了したら空気を一気に戻し、ふたを開ける。すると……。

おお!

光ってる光ってる。

ピカピカしている。

羽根製アクセのはミラーというよりシルバーだけど、肌触りなどはまったく変わらず、フェザー感を保ったまま。うん、かなりゴージャスにラグジュアリーにリュクスに……平たくいうと光ってる!

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