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100均グッズからアクセまで、なんでも鏡にする工場に行ってきた

鏡に対して初めて探究心を持った日

冒頭で紹介した通り、コミーさんはミラー業界を牽引するトップランナーとして、いくつものアイデア商品を開発している。ラボの2Fはコミープロダクトが並ぶショールームとなっている。
ということで社会科見学。

エレベーター、ATM、病院や介護施設、学校、工場と、安全や安心、快適を求める現場で大きな役割を果たしているのがコミーの「気配りミラー」だ。たとえば航空機の手荷物入れ。国内外の100社以上のエアラインがコミーのミラーを採用しているのである。忘れ物や不審物の確認など、乗客本人はもとより、客室乗務員の方も素早くチェックできると大人気。小さいけれど、そのユニット全体が見渡せるFFミラー。

旅客機の手荷物入れの天井に配置したFFミラー。 旅客機の手荷物入れの天井に配置したFFミラー。

客室乗務員のみなさんから「10年来の夢でした」と言ってもらえたそう。

このミラー原板からさまざまな形状に切り出してミラーを作っている。凸面になっているので映っているものは小さく、見える範囲が広くなる。 このミラー原板からさまざまな形状に切り出してミラーを作っている。凸面になっているので映っているものは小さく、見える範囲が広くなる。
凹面ミラー(凸面ミラーの裏側)。像が上下反転して見える。 凹面ミラー(凸面ミラーの裏側)。像が上下反転して見える。

梨衣名さんに本日の感想を聞いてみた。

——蒸着、ミラー化は初めてですよね。どうでした?

「鏡って、女子の必須アイテムですよね。モデルのお仕事でも常に使うし、すごく身近なものです。今日はいろいろなものを鏡にできるっていうことだったので興味津々で来ました。

蒸着についてはちょっと違う想像をしていて、気化したアルミが(被蒸着物)全体を覆うんだと思っていたけれど、実際はもっと直線的に当たるということで。出来上がりが想像と違ったりもしたのだけれど、それがまた味というか風情があって面白かったです。想像を裏切られるのも楽しめました。羽根のイヤリングなんかは柔らかさはキープしたままで光沢のあるシルクみたいになって、とても気に入りました。造花なんかもきれいでしょうね。シルバーのバラとか。あとはお菓子をコーティングして、非常食にしてみるのもいいなとか(笑)」

——アルミの純度に感動していましたね。

「そうそう、アルミってもっと曇っているイメージだったんですが、こちらで使っている99.9%の純度のものなら、きれいな鏡面になるんだなと。だったら、たとえば99.9%の銅を使ったらゴールドのような仕上がりになるのかな、なんて。金属の面白さを実感しました。そもそもアルミについてこんなに考えたり向き合ったりしたのって初めてかも。鏡に探究心や知的好奇心を触発されたのも初めてです(笑)」

——コミーさんの印象は?

「みなさん、仲がよくてフレンドリーですよね。これまでこの企画で接するのは男性の方が多かったんだけど、こちらは女子が多く、みなさんリケジョ! って感じで技術は高いし知識も豊富だし、とても頼もしく楽しかったです。さすが業界をリードする企業って感じです」

コミーのみなさん、ありがとうございました!

今回もよい経験ができたようで何より。ところで、今日加工したものでいちばんのお気に入りは?

「クリアファイルです☆」

……ん?

「表面が真っ平らで、ツルツルしているからすごくきれいにミラー化されました! 面接のときなどに持っていくといいですよね。相手から見ると普通のクリアファイルだけど、自分からは鏡として、メイクのチェックなんかもできるし」

「しかも、柔らかく曲がって、いかにもコミーさんのミラーって感じ」

ふむ。栄光の1位に輝いたのは、感動の羽根イヤリングでも、時間と労力をかけたサングラスや水鉄砲でもなく、よもや100均のフツーのクリアファイルということでした。

これな。

取材協力:コミー

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