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DMM.make AKIBA×Makers’ Base×TechShop×fabcross共同企画

【技あり! ファブテク研究会】レーザーカッターでハロウィンを切り抜け!

先日、DMM.make AKIBA、Makers’ Base、TechShopの都内大手3ファブ施設が連携していくことを発表した。ノウハウの共有や共同のサービスを行うことで、より多くの人に利用してもらうことを目指したものだ。

とはいえ、まだまだ「ものづくりをしてみたいけど、何ができるのかわからない」という人も多いだろう。そこで、当企画【技あり! ファブテク研究会】では毎回マシンや素材に注目し、何ができるのか/どう使えるのかを実践形式で紹介していく。作例を見せてくれるのは、3大スペースから選りすぐられたスタッフたち。現場の運営に携わる中で培われた技術や知識を、存分に披露してくれるだろう。

もちろん、「もう機材は一通り使えるよ」という方にも楽しんでいただけるよう、上級者向けの使い方も紹介する。次回作やワークショップのアイデアにしてほしい。

テーマを決めて、マシンを使い倒す!

本企画のルールは、毎回ひとつのマシンや素材を指定し、初級者向けと上級者向けにそれぞれ作品を製作するというもの。さらに、季節やイベントに応じて作品のテーマを指定する。制約の中で、いかに技術を発揮できるかが腕の見せ所だ。なお、予算は1作品につき2000円までとしている。

記念すべき第1回のテーマは、レーザーカッター×ハロウィン。3Dプリンタに次ぐ花形のマシンで、どのようにハロウィンを彩ることができるだろうか。

今回の挑戦者。右上から時計回りに、渡邉さん、伊集院さん、伊澤さん、岡崎さん。 今回の挑戦者。右上から時計回りに、渡邉さん、伊集院さん、伊澤さん、岡崎さん。

集まったのは上の4人。DMM.make AKIBAから渡邉仁史さん、Makers’ Baseから伊集院琢磨さん。TechShopからは岡崎亜沙子さんと伊澤宥依さんの女性チームが参戦。渋谷の東急ハンズで買い物を済ませ、今回の舞台であるTechShop Tokyoにやってきた。

レーザーカッターってどんなマシン?

レーザーカッターと集塵機(左) レーザーカッターと集塵機(左)

レーザーカッターはレーザー光をごく狭い1点に集中させて、照射された部分を高熱にすることで、素材を彫刻したり切断したりするマシンだ。入力する2次元データにしたがって、細かく正確な加工ができる。

基本的にはレーザーによって素材を「焼く」ため、切断面に焦げ目がついたり、素材によっては煙や有毒なガスが発生したりすることがある。発火の危険もあるため、利用中は機材から離れず、じゅうぶん注意しながら利用しよう。

TechShop Tokyoに置かれたレーザーカット作品のサンプル。 TechShop Tokyoに置かれたレーザーカット作品のサンプル。

レーザーカッターで加工するためには、Adobe Illustratorなどの2次元のドローイングソフトでデータを作成する必要がある。イチから作るのは難しそう! という人は、Webでフリー素材を探してみよう。今回の企画でも、ハロウィンらしい柄はフリー素材サイトで調達したものが多い。利用規則をよくチェックし、問題なければ使わせてもらおう。

画像検索から始めてもOK! 画像検索から始めてもOK!

マスキングテープでお手軽ステッカー

さて、それでは何が作られるか見ていこう。DMM.make AKIBAの渡邉さんが選んだ1つ目の素材は幅広のマスキングテープ。定番の木材やアクリルではなく、紙のような薄い素材を使うようだ。

マスキングテープ単体ではセットが難しいため、用意した捨て板に貼り付ける。 マスキングテープ単体ではセットが難しいため、用意した捨て板に貼り付ける。

「紙は焦げ目を気にする人が多いけれど、適切にパワーを調整してあげればそれほど気になりません。(小さな刃で素材を切り抜く)カッティングマシンでは細かい部分が引っ張られてめくれることがありますが、レーザーカッターならその心配はありません」(渡邉さん)

言葉通り、完成したのはきれいでかわいいステッカー! 焦げ目は全く気にならない。マスキングテープなので取り外しも簡単で、フェイスペイントのように使うこともできるだろう。

不安定なものを加工するには?

TechShop組はカラフルなお皿と木製のスプーンを調達。使い捨ての食器にひと工夫加えるようだ。

岡崎さんは紙皿を裏側からカット。さらにマスキングテープを貼って表面に焦げ目がつかないようにし、きれいな透かしの入ったお皿が完成した。

伊澤さんは木製スプーンに顔を彫刻したい様子。彫刻位置をそろえるため、まずはMDFをカットしてスプーンをセットする台を作るところからスタートした。

作った台に合わせ、次々スプーンを載せて加工を繰り返す。レーザーカッターヘッドの先端から出る空気で揺れないよう、スプーンはテープで土台に固定してある。

先ほどの紙皿を重ねてスプーンと並べれば、カラフルで茶目っ気のある食器セットが完成! 見ているだけでも気持ちがワクワクしてくる。こんな食器があれば、パーティの楽しさも一段アップすること間違いなしだ。(編集部注:今回は実演ということで面積の広い部分へ彫刻しましたが、実際に食器として使う場合は、柄の部分に彫刻するなど、衛生面に配慮してください)

パラメータの調整を極めよう!

クラフト系の利用が多いというMakers’ Baseに勤める伊集院さんは、ふわふわとした起毛素材のリボンを選択。毛の起き具合や見る方向によって表面の光沢が違って見える特徴的な素材だ。

このリボンにレーザーカッターを用いて彫刻加工をすると、レーザーが照射された部分だけ毛が焼けてなくなり、きれいなコントラストが生まれていく。

普通のリボンがあっという間に高級感を放つようになった。反転した柄もカッコよく、これだけでも良い値段がつきそうな雰囲気だ。

製作の過程では、毛のちょうど良い削り具合を探るため、レーザーのパワーを何段階にも分けてテストを行っていた。細かな調整が作品のクオリティをグッと上げる秘訣になっている。

色ごとにレーザー照射のパワーを調整し、適切な値を探っていく。 色ごとにレーザー照射のパワーを調整し、適切な値を探っていく。

さて、お楽しみいただけているだろうか?ここまでのテクニックをまとめると次のようになる。

  • データづくりはフリー素材から始めてもOK!
  • 木材やアクリル以外にも、多様な素材が加工できる!
  • きれいに仕上げるためには、素材の固定とレーザーパワーの調整が大切!

何が欲しいのか考えるのも良いが、気に入った素材からアイデアを膨らますのも、ものづくりを楽しむ手段の一つといえるだろう。

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