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いろんな匠に会いにいく

モデルだけど溶接も極めたい!町工場で板金・溶接の奥深い世界を体験してみた

──インダストリアル・テイストで撮影しよう
──となると工場っぽいロケーションがいいよね
──いっそツナギなんて着ると雰囲気出るよね
──光るアイテムなんかあるとオシャレだよね
ということで撮った1枚!

……じゃなくて。

これは現役モデルにしてコテコテのリケジョ・梨衣名さんが、さまざまなものづくりにチャレンジする連載企画の1シーン。テーマは「板金と溶接」!
やらせ・仕込み一切無し。便利なキットや、ワークショップでの体験とは一線を画す、ガチな加工に挑んでみた。(撮影:加藤甫、編集:金子茂)

梨衣名です。今回は金属製のランタン作りに挑戦します☆

今回ご協力いただいたのは、西川精機製作所。「工場っぽい」ではなく、昭和35年の創業以来、金属加工を中心にものづくりの道を極めてきた正真正銘の町工場である。

ツナギは、加工工程を円滑かつ安全に進めるために身につけたもの。そしてオシャレな光るアイテムは今回の制作物であるランタン。置き型のLEDランプを覆うシェードを、本格的なマシンを使い、鉄板を切って、曲げて、溶接して作る。

今回のお題である、金属製ランタン 今回のお題である、金属製ランタン

1.レーザーカッターで鉄板のカット

ランタンは、正六角形の角柱(胴体)と角錐(屋根)の組み合わせ。それぞれ二枚ずつ作り、2つのパーツを線で溶接する造りだ。さらに、あしらいの飾りの穴もレーザーカッターで切り抜くためCADを使い図面に起こす。

CADはお手のものの梨衣名さん、屋根に施す星の形の穴は、急遽ここでデザインし、作図した。こだわり出すと止まらなくなる(工作あるある)。 CADはお手のものの梨衣名さん、屋根に施す星の形の穴は、急遽ここでデザインし、作図した。こだわり出すと止まらなくなる(工作あるある)。

西川精機が所有するレーザーカッターでいざカット。テーブル駆動タイプの2次元レーザー加工機だ。CADから取り込んだデータに従い、1.6mmの鉄板を、飾りの穴もろとも切り出す。

スイッチを入れるとコンベヤーに乗った鉄板がゆっくりとすいこまれる。 スイッチを入れるとコンベヤーに乗った鉄板がゆっくりとすいこまれる。
レーザーが図面通りに正確に鉄板をカットしていく。 レーザーが図面通りに正確に鉄板をカットしていく。
カットの際に出る火花が美しい。 カットの際に出る火花が美しい。
カットが終わった鉄板が出てくる。アウトラインも飾りの穴も設計どおり正確無比。 カットが終わった鉄板が出てくる。アウトラインも飾りの穴も設計どおり正確無比。
左が胴体、右が屋根部分。今回は後の加工で失敗したときのために2セットずつ用意した。 左が胴体、右が屋根部分。今回は後の加工で失敗したときのために2セットずつ用意した。
「必要な素材がカットできましたー」星の形に抜かれた端材がかわいいのでお持ち帰り。 「必要な素材がカットできましたー」星の形に抜かれた端材がかわいいのでお持ち帰り。

カットした鉄板はていねいにバリをとる。金属加工の鉄則である。

こうした地道な作業も妥協せず、黙々と行う梨衣名さんだった。 こうした地道な作業も妥協せず、黙々と行う梨衣名さんだった。

2.プレス機で120度にベンダー加工

カットした鉄板を、油圧式のプレスブレーキを使ってそれぞれ3等分の位置で120度のV字に曲げる(ベンダー加工)。
台座の金型に位置を合わせて置いた鉄板を、足のステップで調整しながら上から下りてくる金型ではさんで曲げる……のだが、ここで改めて今回のデザインの難易度を思い知ることとなる。

六角形の内角は120度。胴体とふたのセットがズレないように折り目をきっちり合わせねばならない。しかもひとつは角錐なので折り目の片側、頂点の位置はかなりせまくなる……って、かなり難しいのでは?
せめて四角柱の、できればふた無しにしておけばよかったかも……。

が、そんな我々の心配をよそに、梨衣名さん、鉄板を自在に曲げるプレス機に目をランランと輝かせている。そもそもハードルが高いほど奮起している節も。そういう探究心と好奇心とチャレンジ精神が大きな糧なんだよね。

プレス機撮影中。 プレス機撮影中。

ということで、レクチャーを受けながら足の感触を確かめ慎重に動かして、計8カ所、120度のベンダー加工に励む。

素人の場合は一気にやろうと思わず、少しずつ望みの角度に近づけていくのがベターらしいので、何度か角度をはかりながら微調整を重ねる。

もちろんケガにも注意しながら、慎重に。 もちろんケガにも注意しながら、慎重に。
足でステップを踏むと上から凸部が下りてくる。 足でステップを踏むと上から凸部が下りてくる。

試行錯誤しつつ、なんとか無事に4枚、計8カ所に120度の角ができた。

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