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ロボティクスファッションクリエイターきゅんくんインタビュー

AKB48コンサートに「METCALF stage」が登場、ウェアラブルロボット開発で活躍するクリエイターきゅんくんが目指す未来

ロボティクスファッションクリエイターの「きゅんくん」。大学で機械工学を学びながら、DMM.make AKIBAを拠点に活動している。2014年11月に、初めてファッションロボットを「TOKYO DSIGNERS WEEK2014」の企画展「スーパーロボット展」に展示した。2015年3月、テキサス州オースティンで開催された音楽と技術の祭典「SXSW2015」TRADESHOWのDMM.make AKIBAブースでウェアラブルロボット「METCALF(メカフ)」を発表。AKB48とのコラボレーションを果たすなど、今注目のクリエイターの一人だ。

そんな、きゅんくんがロボット開発を始めたきっかけから、新作のウェアラブルロボット、今後の展望までを伺った。(撮影:加藤甫)

新作ウェアラブルロボット「METCALF clione」を発表

ロボティクスファッションクリエイターきゅんくん。 ロボティクスファッションクリエイターきゅんくん。

ロボティクスファッションクリエイターきゅんくんは、2016年3月25日に、新たなウェアラブルロボット「METCALF clione(メカフクリオネ)」を発表した。METCALF clioneはMETCALFシリーズの新作で、ロボティクスをファッションの一部として肩に背負って着用する。“METCALF”というネーミングは「メカ服」からとって生まれたものだという。

「METCALF clione & METCALF」PV。羽のようなウェアラブルロボットが未来を描く。

——METCALF clioneの特徴を教えてください

大きな特徴としては、旧作METCALFから大幅な軽量化と、外装にグラフィックデザインをUVプリント、スマホからの制御があります。軽量化は、METCALFの半分の1.5kgを実現しました。全体のサイズを4分の3に縮小して、外装の素材もアルミからアクリルに変更しています。グラフィックデザインはRei Nakanishiとコラボレーションし、デザインを外装のアクリルにUVプリントしています。アクリルはDMM.make AKIBAのレーザーカッターなどの機材を使い自分でカットし、プリントしました。

機械設計は3D CAD「Autodesk Inventor」を利用して開発している。 機械設計は3D CAD「Autodesk Inventor」を利用して開発している。

ソフトウェア開発は、アスラテックさんに協力してもらっています。旧作METCALFのソフトウェアは、Arduinoで制御していて、新しい動きをさせるたびにケーブルにつないでプログラムを書き込まないといけませんでした。METCALF clioneからは、アスラテックさんのロボット制御マイコンボード「V-Sido CONNECT RC」や各種技術を採用し、Wi-Fi通信接続でPCやスマホから制御することができます。その他にも、本体の金属加工をこれまでは自分で行っていましたが、精度を上げるために海内工業さんに発注しています。

——今後の展示予定はありますか?

METCALF clioneを6月にフランスで行われるメディアアートイベント「バンニューメリック」で展示する予定です。

外装のアクリルパーツを本体のアルミパーツにネジで取り付けるきゅんくん。 外装のアクリルパーツを本体のアルミパーツにネジで取り付けるきゅんくん。

——学業とのバランスが難しいと思いますが、いつ開発しているのでしょうか?

学校以外の時間の多くをDMM.make AKIBAで過ごしています。平日は授業が終わってから、週末も時間をみつけては訪れて開発しています。特に春休みが一番集中して開発が進むタイミングですね。24時間営業しているので、数日徹夜することもありました。あと、DMM.make AKIBAのコミュニティは、自分の知らないことを知るきっかけになります。ハードウェア開発で困った時も、周りで作業している人に聞きやすいし、良い環境です。

METCALF clioneを制御するスマホアプリ。直感的にアームを操作できるようにデザインが工夫されている。 METCALF clioneを制御するスマホアプリ。直感的にアームを操作できるようにデザインが工夫されている。

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