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3Dプリントで製造の航空機用パーテーション、従来より強固で45%軽量に

AutodeskとAirbusは、3Dプリントで製造した航空機キャビン用パーテーション「バイオニックパーテーション」を公開した。両社は航空機のキャビン内で使用するパーテーションの設計・製造で協業。その成果となる同製品は、先駆的な設計・デザインと製造工程により、従来品よりも構造を強固にし、軽量化することにも成功している。

同製品は、生物の細胞構造や骨の成長過程を模したデザインを生成する独自アルゴリズムにより設計され、アディティブマニュファクチャリング(積層造形)技術で製造された。強固かつ軽量なマイクロラティス構造を持ち、従来の設計と比較して45%軽量に。これから製造予定の A320 型機の全キャビンに導入した場合、毎年46万5000トンのCO2を削減できるとうたっている。

また同製品の素材として、Airbusの子会社APWorksが3D プリント向けに開発した第 2 世代のアルミニウム・マグネシウム・スカンジウム合金「Scalmalloy」を利用。Scalmalloyを航空機の部品として大規模に利用するのは、今回が初めて。Scalmalloyは、これまでにない弾力性など、優れた性能を備えているという。

さらに、パーテーションの設計を決める際、コンピュータのアルゴリズムによって最適な設計・デザインを決めるジェネレーティブデザインという手法を採用。特殊な肉抜き加工や重量制限などの構造上の要件を踏まえながら、数万通りにも及ぶ設計の組み合わせの中から、要件を満たして最適な設計の組み合わせを選び取らせた。

パーテーションの実用試験は第1段階まで完了。2016年から飛行試験などのテストが実施される予定だ。

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