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太陽光だけで大気から多量の水を取り出せる「スーパースポンジ」——ポリマーとハイドロゲルのハイブリッド材料を開発

テキサス大学オースティン校のGuihua Yu准教授率いる研究チームが空気中から水分を集めて蓄え、太陽光で熱が加えられると水として外部に放出する物質を開発した。

研究チームが開発したのは、加熱することで親水性を切り替えられるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)のポリマーネットワークに、吸湿性ポリピロールクロライドを浸透させた、いわば「スーパースポンジ」のようなポリマーとハイドロゲルのハイブリッド材料だ。空気中の水分を多量の水として吸収し、太陽光のエネルギーだけで水として取り出せる。

「私たちが開発したのは、完全に受動的なシステムです。屋外に置きさえすれば、後は勝手に水を集め出す」と語るのは、研究チームのFei Zhao氏。「収集された水はハイドロゲル内に貯蔵されるが、自然の太陽光に曝されると、およそ5分後に水が放出される」という。

大気中の水分から水を作り出す技術はAWH(Atmospheric Water Harvesting)と呼ばれ、決して新しいアイデアではない。ただ、蒸気凝縮を利用するシステムでは大きなエネルギーが必要だ。今回開発された「スーパースポンジ」では、太陽光さえあれば、平均的な世帯の日々の水需要に応えられる。プロトタイプの性能試験では、1日でハイドロゲル1キログラムあたり50リットルの水を生産できたという。被災地や発展途上国での活躍が期待できる。研究成果は、2019年1月19日付でジャーナル『Advanced Materials』に掲載されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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