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オーティコン補聴器、最新の研究が「脳から聞こえを考える」ブレインヒアリングの妥当性を示したと発表

オーティコン補聴器は2020年9月10日、同社の独立研究機関エリクスホルム研究センターや第三者機関による聴覚分野の研究結果が、脳から聞こえを考えるアプローチ「ブレインヒアリング(BrainHearing)」の妥当性を示したと発表した。

同社は、音を聞くための脳本来の働きを生かすためには「周囲のありとあらゆる音の全体像」を届ける必要があることが、研究によって明らかになったという。このことは、ブレインヒアリングの考えに基づき開発された補聴器「オープンS」シリーズの「周囲360°に存在する音の情景を届けることで、脳本来の自然な働きをサポートする」というコンセプトの妥当性を支持するものだとしている。

発表によると、脳には2つの聴覚サブシステムが存在し、これらが連携していることが明らかになった。そのうちの一つは「捉える」聴覚サブシステムで、周囲の音をスキャンし、音の情景の全体像を作り出す。音を一つひとつのまとまりとして捉え、自分にとって重要な音とそうでない音を分離する役割を担う。

もう一つは「集中する」聴覚サブシステムで、音の全景から興味のある音だけを選び取り、注意を傾ける。どの音を聴くかの選択を助け、他の無関係な音を取り除く働きを果たす。

これら2つの聴覚サブシステムの働きを十分に発揮するためには、ニューラルコード(聴神経を介して脳に送られる電気信号)の質が重要だ。耳から十分な情報が脳に送られないと、脳の本来の機能が十分に発揮できない。脳に届けられる情報が不十分だと、脳や生活に悪影響を及ぼすことがあるという。

多くの補聴器が採用している指向性技術は、騒がしく聞き取りが困難な環境では会話音声を優先させ、脳に音の全体像を届けることを制限している。こうした制限するアプローチは自然な情報を届けることを抑制するため、脳に伝わるニューラルコードが不十分となる。そして、「捉える」聴覚サブシステムの機能が困難になり、「集中する」聴覚サブシステムに負の影響を与える。

このことは、従来の指向性技術の補聴器では難聴に十分対処できないということを意味する。オーティコン補聴器は、「脳が受け取る音を制限するべきではなく、あらゆる音の情景を届けて難聴に対処すべきであることは明らかだ」としている。

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