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3Dプリントで製作する通気性に優れた脊柱装具「Exos Armor」 #CES2021

イタリアのスタートアップExosが開発した「Exos Armor」が、オンライン開催の国際見本市CES 2021に出展された。

Exos Armorは3Dプリントで製作された整形外科用の脊柱装具だ。現時点では一般的な脊柱装具の矯正メカニズム(ボストンブレース、シェノーブレースなど)を採用しているが、将来的には独自の矯正機構をベースにしたものに改良予定だという。

3Dプリントを採用した製造工程に加え、メッシュパターンの採用による高い通気性と強度を兼ね備えていることが特徴で、長時間の着用や夏季の利用にも対応する。従来の脊柱装具に比べて平均38%の薄さ、30%の軽量化を達成しており、今後さらなる改善により従来品の50%軽量化を目指す。

装具は患者の体型に合わせてミリメートル単位の精度で調整可能で、患者のコンプライアンス向上につなげられる。また、患者の好みに合わせた細かなカスタマイズも可能で、心理面に与えるポジティブな効果も期待できる。

製作工程では、体幹/四肢の3Dスキャンから患者の3Dモデルを作成し、工業用グレードのFFF(熱溶融積層)3Dプリンターで印刷した後に、整形外科技術者によるテストが実施される。

従来品よりもリードタイムを大幅に短縮できることも強みで、これまでの装具では初診から引き渡しまで20~28日かかっていたが、Exos Armorは上記工程が2~3日で完了し、脊椎変形症の矯正や悪化防止に対して迅速に導入できる。

今後は、専門のクリニックと協力してExos Armorの商品化を進め、イタリア国内のみならず欧州と米国で販売を計画しているということだ。

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