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世界最大の洋上波力発電施設、スコットランド沖で4年間の実証計画を開始

波力エネルギーの大規模な商業化を目指す「WEDUSEA」プロジェクトが、2022年10月にスペインで開催された海洋エネルギーの国際会議で、その計画を発表した。同プロジェクトには、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、スペインから、産学横断で14のパートナーが参画する。資金面ではEUのHorizon Europeプログラム、英国のInnovate UKといったイノベーション支援機関の協力を受ける予定だ。

今後4年間にわたるWEDUSEAプロジェクトの中核となるのは、波力発電の技術をもつアイルランドの企業OceanEnergyだ。同社は、世界最大容量の浮体式波力発電装置「OE35」を開発した実績をもつ。

OE35は海面に浮かぶ装置で、内部に空気室を持つ。海面下にある開口部が波圧を受けて装置内の水面が上下し、空気室に閉じ込められた空気がタービンを駆動して発電する。

WEDUSEAの計画は、3つのフェーズで推進する。第1フェーズは発電装置の設計で、スコットランドの欧州海洋エネルギー試験場の海象条件に適合させる。第2フェーズは2年間の実証実験だ。最終フェーズは技術の商業化と普及で、研究成果を資本化して利活用機会を拡大する。

欧州委員会のMatthijs Soede氏によれば、同委員会の海洋再生可能エネルギー戦略における、2030年に1ギガワット達成という出力目標を目指すとのこと。同時に、エネルギー危機回避の観点で、波力発電がエネルギー源の多様化の重要な一手になるという。

fabcross for エンジニアより転載)

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