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製品レビュー

造形精度が大幅アップ!「ノーベル 1.0A」実機レビュー

XYZプリンティングジャパンが2017年4月に発表したSLA(光造形)方式3Dプリンター「ノーベル 1.0A」は「ノーベル 1.0」の後続機だ。価格は32万4000円と、ノーベル 1.0の17万2800円に比べ倍近い金額ではあるものの、同様な性能を備えた卓上の光造形機としては決して高過ぎない価格設定である。今回はその実機を使い実際に出力の精度を確認していくとともに、出力後の硬化を促進するUVキュアリングの使用感もレビューしていく。

気になるスペックと造形時間短縮の仕組み

まずノーベル 1.0から大きく変わったのがX/Y軸分解能で、300μmから130μmになっている。数値的には倍以上の細かさが表現可能ということだ。また、印刷のスピードも向上したということだが、こちらは下から当てるUVレーザー光の当て方が変わっている。従来のノーベル 1.0では、ガルバノミラーでレーザー光を“点”で照射してレジンを硬化させていた。一方でノーベル 1.0Aではレーザー光を奥側から手前へX軸方向の“線”で照射できるようになっている。この変更によって、1層あたりのレジンの硬化にかかるプロセスが短縮されたことが造形時間の短縮につながっているようだ。このため長さのある造形物を出力する際はX軸方向と長手方向をそろえると、造形時間短縮がより実感できるだろう。

また、出力ピッチは0.025mm、0.05mm、0.1mmの3種類設定できる。この出力ピッチに関して1点注意したいのが、0.025、0.05の出力の際はZ軸方向の出力サイズが50mm以下、100mm以下に限られるという点である。ノーベル 1.0Aの最大造形サイズ自体は128×128×200 mmと大きめであるが、大きいサイズで出力したい場合は細かい出力ピッチでは出せないので分割して出力する必要があるだろう。

セットアップ、出力の流れ

操作パネル/本体裏にはUSBケーブルとUSBメモリを挿すことができる。 操作パネル/本体裏にはUSBケーブルとUSBメモリを挿すことができる。

ノーベル 1.0Aの外観はノーベル 1.0と比べると白ベースの本体が赤く、さらにカバーが垂直になりどこか高級感を感じさせるような見た目になった。液晶ディスプレイ、ボタン周りのインターフェースには大きな変更はなくXYZプリンティングらしいシンプルなものになっている。また液晶ディスプレイは日本語で案内されるため操作自体はとても簡単だ。

水平校正では、プリントプラットフォームを固定している4つのネジを緩めて台座をタンクの方へ下ろし、タンクに密着させてプラットフォームと並行にしてネジを締めるというシンプルな方法で行う。プラットフォームの水平が取れていないと造形物がタンクに落ちてしまい失敗する原因にもなるので気を付けたい作業だ。

また、レジンはボトル本体の底にICチップが付けられており、残量などが記録される。タンクのセットアップは専用のふたに、付属の黒と透明のチューブを取り付けるだけで終了である。あとは操作メニューから「レジンタンクヲジュウテン」を選ぶと、透明なチューブ側に空気が送られて黒いチューブからタンクの方にレジンが流れタンクが満たされていく。そして水位センサーが反応すると「レジンタンクヲジュウテン」が完了し出力の準備が完了となる。

出力ソフトは「XYZware Novel」でこれはノーベル 1.0と共通である。FFF方式の「XYZware」同様、簡単なインターフェースでファイルをドラッグアンドドロップでインポートでき、配置、拡大縮小なども直感的操作でできるので、初めてでもすぐに使うことができる。サポートは基本的にはオートで付けられるが、細部にこだわりたい玄人にもうれしい、サポートをマニュアルで付けられるオプションもある。印刷の主な設定項目は積層ピッチと品質のみなので、すぐに上の印刷をクリックすることができる。データをスライスして本体が稼働し始めれば、パソコンと接続しているUSBケーブルを抜くことができ、スタンドアロンで使用できるのは魅力だ。

さて、出力が終わるとノーベル 1.0Aはプラットフォームを上にあげて停止する。プラットフォームの上にあるネジを回すとプラットフォームが本体から外れるので、付属のスクレーパーなどで造形物を剥がしていく。その後、アルコールに造形物を浸して造形物に付着している未硬化のレジンを洗浄し、造形は完了となる。

新たに登場したUVキュアリングって?

ノーベル 1.0Aで出力、アルコール洗浄した造形物は実はレジンが半硬化の状態だ。細い部分などを触ってみると少し柔らかいということが分かる。通常はこの半硬化のレジンを太陽光に当てるかUVランプを照射することで完全硬化させるのだが、XYZプリンティングジャパンからUV照射専用の機材である「UVキュアリング」をお借りできたので使用してみた。

UVキュアリングは赤い筐体の機材で、正面の扉を開くと中は上下側面ともに鏡面になっている。上面にはUVのLEDがついており、ここから造形物に対してUV照射するようである。操作ボタンには電源、モード、プラスマイナス、スタート/ストップボタンが付いており、モードボタンで照射のレベルと照射の時間を切り替えることができる。

左がUVキュアリング前、右がUVキュアリング後。 左がUVキュアリング前、右がUVキュアリング後。

実際にクリアのレジンをUVキュアリングで硬化させてみると、マットだった質感が少し透明感をおび、固くなった。ただ、クリアのレジンはUVを当てすぎると黄変してしまう点だけは注意して使う必要がある。都度確認して照射時間を調整するといいだろう。カラーのレジンに関しては比較的長めにUVを照射しても色味が変わってしまうことは無かった。また、UVキュアリングを使うと、洗浄で落としきれない表面のベトついている箇所も気にならなくなってくる。タイマーは30分まで設定可能であるが、だいたい5~10分くらいでその効果を感じることができた。

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