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製品レビュー

造形精度が大幅アップ!「ノーベル 1.0A」実機レビュー

精度を検証してみる

ここからは出力したサンプルを見てノーベル 1.0Aの精度を確認していく。まずは0.025mmの積層ピッチで出力した光造形の精度確認用のテストモデルだ。このデータは10mm立法のキューブの各面にさまざまな形状が作られているのだが、実際にデータと出力したものを比べてみると、ほとんどの形状が正確に再現されておりノーベル 1.0Aの精度の高さが分かる。X/Y軸方向の精度が130μmというのもうなずける。ただし、先端形状に比べると小さな穴などの囲まれた形状に関しては、液体状のレジンが洗浄しきれずにそのまま硬化して埋まっているところもあるようだ。

フィギュア(オレたちのゆきこたんプロジェクト)の造形に関しても問題なく出力できた。こちらも積層ピッチは0.025mmで出力したため、ぱっと見たところ積層跡はほぼ見えないほどである。ただし、ノーベル 1.0で対応しているグレーのレジンは、ノーベル 1.0Aでは使用できないとのことなのでその点だけは注意するといいだろう。

他にも幾つかサンプルを出力したのだが、機械的な構造物も有機的な構造物も含めて綺麗に造形することができた。光造形での出力は密度があるためレンズを出してみたりもしたのだが、こちらも軽く磨くだけでちゃんとレンズとして使えることが確認できた。

ノーベル 1.0Aは使えるか?

キャスタブルレジン(上)とフレキシブルレジン(下)のサンプル キャスタブルレジン(上)とフレキシブルレジン(下)のサンプル

さていろいろな観点からノーベル 1.0Aを見てきたが、実機を触ってみて一番の驚きは旧機種ノーベル 1.0からの品質の向上である。

ノーベル 1.0でも形を出すだけであれば、FFF方式と比べ精度は良い場合が多い上に価格も安くていいのだが、精度を求める方は少し奮発してこのノーベル 1.0Aを購入してもいいだろう。さらに記事中では触れられなかったのだが、このノーベル 1.0Aはフレキシブルレジン、キャスタブルレジンの新素材にも対応している。キャスタブルレジンに対応しているということは、ノーベル 1.0Aで出力した造形物を原型としてシルバーやゴールドなどのジュエリーの鋳造もできるということである。

産業用の光造形機と比べてしまうと安定性や精度でどうしても劣る点はまだあるものの、その差はかなり詰められてきているようである。もちろんそこは使い分けではあるが、手元ですぐにサンプルを出力したいようなユーザーには十分に価値ある機種ではないだろうか。

 

取材協力:XYZプリンティングジャパン

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