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アマゾンの森林再生活動を支援する自律的な協働ロボット「YuMi」——植林に必要な種まき作業を肩代わり

ロボティクスおよびマシンオートメーションサプライヤーであるABB Roboticsは、非営利団体Junglekeepersと提携し、同社の協働型双腕ロボット「YuMi」を活用したアマゾンの森林再生活動支援を行っている。このプロジェクトは、破壊された森林の再生回復におけるロボット工学とクラウド技術の可能性を実証するもので、太陽光発電を利用してYuMiが種まき作業を自動化し、アマゾンの森林を効率的に再生することを目指している。

YuMiの役割は、植林作業で必須である種まき作業を自動化してスピードアップすることだ。そのおかげで、Junglekeepersのボランティアは、熱帯雨林保護について地元住民を教育したり、成長した苗木を植樹したりするほか、違法伐採抑止のためのパトロールなど、重要な作業に時間とリソースを集中できるようになる。

ABBのロボットプラグラミングおよびシミュレーションソフト「RobotStudio Cloud」により、ABBの専門家は、1万2000キロ離れたスウェーデンから、アマゾンのジャングルにあるYuMiの作業に必要なプログラミングのシミュレーション、改良、導入をリアルタイムで実施できる。YuMiは世界で最も遠隔地にあるロボットとなって、土に穴を掘り、種を落として、上から土を押し固め、色分けされたタグで印をつけるという反復作業をこなす。そのおかげで、Junglekeepersは森林再生が必要な地域で、毎日サッカー場2面分の面積の植え替えができるという。

設置した後、YuMiは自律的にタスクを遂行でき、必要に応じてトラブルシューティングを行えばよいので、遠方のジャングルに滞在して働く人を見つける難しさも克服できる。

Junglekeepersの希望により、RobotStudio CloudとYuMiを使った熱帯雨林でのパイロット計画は2023年5月から6月にかけて約6週間実施され、その後ABBはJunglekeepersをより長期的に支援する機会を探るとともに、同社のロボットソリューションとクラウド技術が持続可能な変革の推進で中心的な役割を果たす機会をさらに探っていく予定だ。

fabcross for エンジニアより転載)

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