同社は2022年3月に「serendix10（スフィアモデル）」を23時間で完成させ、同年10月には初回販売分の6棟を完売。また2023年5月には一般販売棟として初めての竣工、かつ商用初の3Dプリンター施設となる佐久棟を完成させた。

今回竣工したserendix50（フジツボモデル）はserendix10の発表後、高齢夫婦世帯から一般住宅仕様の3Dプリント住宅を希望する声が寄せられたことを受け、慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターと共同プロジェクトとして始動した。構造設計はKAPが担当、施工は立尾電設、百年住宅、ナベジュウによるオープンイノベーションで行い、開始から44時間30分で作り上げた。

今回の建設は、躯体を3Dプリンターで出力し、屋根はデジタルデータを元にCNCカッターで造形するという2つのデジタルファブリケーション技術を融合したものだ。人による作業を削減し、ほとんどの部材を単一素材で複合機能を持たせた3Dプリント住宅の建造に成功している。広さは50平方メートルの1階建て平屋で、構造強度に加え、耐火性／耐水性／断熱性も備えている。

販売予定価格は550万円としており、今後は安全性試験を実施した後、限定6棟の先行販売を開始予定だ。