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ボストン・ダイナミクス、次世代ヒューマノイドロボット「Atlas」はモーター駆動に

ボストン・ダイナミクスは、油圧駆動として開発を続けてきたヒューマノイドロボット「Atlas」について、次世代モデルは電動に移行すると発表し、新型Atlasの動画を公開した。

同社は2024年4月16日、「Farewell to HD Atlas(さようなら、油圧Atlas)」と題する動画を公開し、油圧式ヒューマノイドロボット「HD Atlas」が器用に障害物を乗り越えたり、物を持ち上げたりする、これまでの開発の歩みを紹介している。ときには転んだり、着地に失敗して作動油が噴き出したりする場面も含まれており、研究開発の苦労をうかがい知ることができる。動画の最後にはAtlasがお辞儀をし、「Til we meet again, Atlas.(また逢う日まで)」のメッセージで締めくくっている。

その翌日に公開した動画では、仰向けに寝そべる新型Atlasが、起き上がる様子を映している。HD Atlasは油圧で作動するシリンダーを動力源としており、シリンダーの作用点は四肢を構成するフレームに固定されるため、フレームの作動域は筋肉で動く人体に似たものとなる。動画を見る限り、次世代の電動Atlasは、関節部に回転する電動アクチュエーターを装備しており、油圧シリンダーでは不可能な関節の使い方で脚を反らしながら上げ、腰の横の床に両足をつけて支えながら体全体を起こしている。

同社によると、これまでのAtlasは研究開発用途に限定していたが、新型は現実世界に適用可能なアプリケーションとしてデザインしている。ボストン・ダイナミクスが傘下に入る現代自動車グループは、現在、次世代の自動車工場の建設を進めており、新型Atlasにとって絶好の実証テストの場になることが見込まれる。

新型Atlasは、油圧式HD Atlasの機能を継承、強化しながらパワーと動作の幅を拡大し、さらに装着可能なグリッパーを増やすことで多様な作業ニーズに応える。数十年におよぶ研究を基にプログラムされ、今日の産業界における深刻な課題の解決できる有能かつ便利なモバイルロボットとして、4足歩行ロボット「Spot」、商用物流ロボット「Stretch」に続く商用展開を目指す。

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