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ギャル電きょうこのストリート電子工作

ギャル電きょうこのストリート電子工作 夜のストリートによく似合うインド風DJトラック

電子工作に必要なものは、すべてストリートで学んだ。

そう豪語するのは、ギャル2人組の電子工作ユニット「ギャル電」のきょうこさんです。これまでの電子工作とはひと味違うテクニックとパッションは、確かにストリートスタイル。電子工作界のセオリーをぶち破りながら快進撃を続けているのはみなさんご存知のことでしょう。

そこで、きょうこさんにストリート電子工作の神髄を見せてもらうべく新企画を始動します。その名も「ギャル電きょうこのストリート電子工作」。長いので「スト工」とでもお呼びいただければ幸いです。基本的には、きょうこさんがそのときそのときで思い付いたものを、ストリートの流儀に則って作って来てもらいます。さあ、第1回は何かな?

インドで大流行中の「DJトラック」を作ったよ!

「最近あたし、インドにハマってんだよねー」

インド。カレーとかですか?

みんなデコトラ好きでしょ? 今インドのDJトラックカルチャーがギャル電の中で流行ってんだよね。トラックを電飾とサウンドシステムでデコって、爆音で音楽流して走ったりしてて、めっちゃアガるの。その派生で、キッズがラジコンをデコったりする文化もあるんだよね。YouTubeとかで見られるから」

確かに……。なんかやけに脳天気なEDMっぽい曲に、デコトラ。これがインドなのか……。

「デコトラのプラモとかはあるけど、実際にそれを持ってストリート出たりしないじゃん? でもインドのキッズは、みんなミニチュアのDJトラック作って外で転がしてんの。だから、そういうの作ろうかなと思って」

で、完成したのがコレ! なんともド派手なデコトラです。なんか、渋谷の街を巡回してそうなトラック……。

東京オートサロンというカスタムカーのイベントに行くと、こういうクルマいっぱい見かけます。見れば見るほど、派手。

「ここにiPhone入れてケーブルつなげると、曲流すことできるから。曲はもちろんインドEDMね」

スピーカーが大量に付いてますね。まさにDJトラック!

「しっぽ付けたんだけど、かわいいでしょ。いっときギャルの間でしっぽ流行ったからね」

あれ、前にひもが付いているということは……。

「もち、ストリートでDJトラック転がすに決まってんじゃん!」

確かに、夜のストリートに映えそうです。

100円ショップのスピーカーはデコトラ作りに最適なパーツ

いろいろツッコミどころは多そうですけど、作業工程などをざっと見ていきましょう。

「これ、100円ショップのスピーカーね。これバラしてDJトラックに入れる」

スピーカーは分解してアンプを接続。

段ボールにコーンユニットをはめ込んでいきます。これが背面のスピーカーになるというわけ。

こちらは100円ショップで購入したライト類。これがたいへんいいんだとか。

「これすごく使いやすい。デコトラ作るなら最高のパーツ。電球全部抜いてガワだけ使うんだけど。メッキ塗装されてるから、自分で塗装する必要ないんだよね」

光りものをたくさん作るギャル電にとって、こういうパーツは神。こういうのは買いだめしておくのがポイントなんだとか。

100円ショップは旬があるの。その時期にしか置いてないものとかあるんだよね。逆に浮き輪とか毛玉取り器とか一年中売ってる100円ショップは少ないから貴重。いつでも100円ショップで手に入るとか言ってるやつは信用できない

そ、そうですか……。で、ライトを分解したパーツにLEDを仕込んで光らせます。

おお、まぶしい!

「ライトも、廃盤とかになっちゃうことがあるから、使えるパーツは買いだめするのがストリート工作の流儀だね。100円ショップは一期一会なんだ」

なんか深いこと言ってますね……。肝に銘じておきます。

ゆがんでたっていいじゃない。作りたいものを作るのがストリート工作

ちなみに、トラック本体は段ボールで作ります。

「あたしは、板とか段ボールとか真っすぐ切れないから。でも、ストリート工作は真っすぐ切らなくても大丈夫

でも、きれいなほうがいいですよね……。

「でもさー、みんなあんまり工作しなくなったじゃん? そうなったのは、工作やる人もやらない人もなんだけど、特にやらない人が“工作はこうあるべきだ”みたいなのがSNSとかで見えるようになっちゃって、ハードル上がるっつーか。だから、みんながすげーって思うものなんてできないからやらないみたいな風潮になってきて。ちゃんとできなくたって、自分が作りたいものがあれば作るのがストリート工作だよ」

ふ、深い、深いぜきょうこさん!

ちなみに、今回一番がんばったのが、足回りなんだとか。

「あたし、クルマのことよく分かんないからさ。こう、トラックをぴょんぴょん跳ねさせたかったんだよね。でもどうしていいか分からないから、クルマの中古パーツ屋行って足回り観察したよね。それであたしが考えたのがこれ」

サスペンションですね。段ボールを曲げていくつか重ねて、バネのようにしてぴょんぴょんさせようという感じでしょうか。

「タイヤは千石電商で140円で買ってきた。一番大きい5cm径のやつね」

ギャル電におけるマーケティングの極意=「GYARU」

ギャル電といえばLED。もちろんDJトラックにもたくさん仕込まれてます。これはテープ状のLED。

これを、100円ショップのライトからゲットしたおいしいパーツに貼り付けていきます。もちろんホットボンドで。

トラックの至る所にLEDを貼り付けます。

トラック後部のスピーカーの上部には、ぐるぐる回るライトが仕込まれています。これはモーターで回るようになっています。

なんかロゴおかしくないですか? 「GYARU DENSHI KOSAKU」って書いてありますけど、「GYARU」じゃなくて「GAL」では?

「最初、GALって書いてたら、まおに怒られてさー。それじゃ検索引っかかんないよって。外国ではGYARUって綴りのほうがメジャーになってるから、あえてこっち使ってる。検索性大事」

マーケティングにも気を使ってらっしゃる……。プロ意識高いな。

貼り付けから絶縁まで幅広く使えるホットボンド

運転席上部は収納スペース。モバイルバッテリーや電池、Arduino基板などがゴチャッと入っています。上の写真は、撮影のためにあえて配線してなかったので、この後配線しました。もちろんホットボンドで。

側面にはデコったパネルを貼り付けます。ここでもホットボンド。貼り付けから絶縁まで、幅広く使っています。

「ホットボンドはホントはこういう使い方しないんだろうけど、ストリートではみんなやってるから。でもね、ほんとはグルーガンの素材を見て絶縁できるかどうか考えなみたいな。よく分かんなかったら真似しないほうがいいね」

まあ接着くらいだったらいくら使ってもいいでしょう。ドバドバホットボンドを流し込んで接着していきます。

側面上部にダイヤルを取り付けています。

「ここ回すと、電飾の回転スピードとパターンが変わんの。正月工作で作った光る鏡餅のテクニックを応用してるだよね」

応用というよりは、そのまんま流用ですけどね。

もろもろ配線やデコレーションが終わったら、運転席部分と荷台部分を連結。ここは両面テープですね。

前バンパー部分にひもを取り付けます。モーターで動くようにしなかったのはなぜなんですかね?

「よく、たわしにひも付けてペットみたいにしてる人いるじゃん? それとおんなじ。ペット感覚で連れて行く。あたしはデコトラを飼ってる」

うん、よく分かんなくなってきましたけど、とりあえず完成です!!

小学校のワークショップにいかがですか?

ということで、さっそくDJトラック君とお散歩してみましたよ。

いやー、かわいいじゃないですか! 夜のストリートにマッチしています。

「これ、小学校とかではやると思うんだよね。男の子だけじゃなくて女の子も。なんで女の子がハマるのかっていうと、デコ要素があるから。自分も子どものころめっちゃシール貼るのとかすげー好きだったし。小学校でオリジナルDJトラックワークショップやったら、超人気出ると思うよ」

全国の小学校の教員の方! 図画工作の一環として、または2020年度から始まるプログラミング教育の一環として、ギャル電を呼んでワークショップやってみませんか? 

ということで、ストリート工作第1回目はここでお開き。次回の工作もお楽しみに!

ギャル電 きょうこ

今のギャルは電子工作する時代! ギャルによるギャルのための電子工作を提案するユニット「ギャル電」で活動している。 最近ハマってる飲み物はトマトジュース(無塩)

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