新しいものづくりがわかるメディア

RSS


皮膚のかゆみを引っかかずに緩和するデバイス「ThermoScratch」——大学教員らによるスタートアップが開発

大阪ヒートクールは、温度変化を用いて引っかいたような錯覚を身体に与えるデバイス「ThermoScratch」を開発、Kickstarterで先行販売を開始した。予定では2024年2月ごろの出荷開始を予定している。

photo 皮膚に当てるプレート部分の外側が暖かくなり、内側が冷たくなることで「サーマルグリル錯覚」を再現し、かゆみを緩和する(画像出展元:kickstarter)

ThermoScratchは40℃程度の温かいものと、15℃程度の冷たいものを同時に触った時に痛いと感じる「サーマルグリル錯覚」を用いて、かゆみを緩和するデバイスだ。皮膚を傷つけない温度で再現できるため、実際に皮膚を傷つけることはない。開発元の大阪ヒートクールでは、電力を消費して熱を移動させるペルチェ素子とPWM回路を用いることで、複数の温度を生み出すデバイスの開発に成功したという。

photo

人間や動物は、かゆみを感じた際に引っかく。この時の痛みの情報がかゆみを上回るため、一時的にかゆみを忘れるが、引っかくことによって皮膚を傷つけ、その傷からかゆみの原因となるアレルゲンが取り込まれることで、さらにかゆみが誘発される悪循環に陥ることがある。ThermoScratchは錯覚を使うことで、皮膚にダメージを与えることなく、かゆみを緩和することを目指した製品だ。

photo

クラウドファンディングの実施期間は2023年7月24日までで、今なら50%OFFの超早期割引の8400円(送料別)で予約購入が可能だ。

大阪ヒートクールは大阪大学、京都工芸繊維大学、青山学院大学、奈良女子大学、神戸大学の教員5人を中心としたスタートアップ企業。国や大学の支援を受け、2年をかけて製品を開発。世界最大規模の家電見本市「CES 2023」で同製品を発表した。

2023年3月に京都で開催されたピッチコンテスト「Monozukuri Hardware Cup 2023」にも出場、その際に2023年6月には製品版を発表し、2024年度中には一般販売を開始するとしていた。

 

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る