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「子どもたちにプログラミング体験を」とRaspberry Pi開発者

テクノロジー系ニュースサイトReadWriteが、「Raspberry Pi」を開発したエベン・アプトン氏のインタビュー記事を掲載した。アプトン氏はRaspberry Pi財団の共同設立者で、現在財団の貿易会社CEOを勤める。Rapsberry Piの販売数は250万台を超えている。

インタビューによればアプトン氏は8歳のとき、学校で触れた教育用8ビットコンピュータでプログラミングをはじめ、その魅力にとりつかれた。大学では物理学、工学、コンピュータサイエンスを学んだが、大学で博士号を取得していたとき、いまの子どもたちに自分のようなプログラミング体験をする機会がなかったことに気づき、これがRaspberry Pi開発のきっかけとなった。

現在のコンピュータやタブレット、ゲーム機、携帯電話などは、子どもが好きなようにいじり回すことができない。「Raspberry Piは、あまりにもレトロになりすぎない範囲で、過去25年間のコンピュータの進化で失われたと感じられるものを取り戻す試みなのです」とUpton氏は語る。そして、子どもたちが好きなように触って、プログラミングのすばらしさを学べる、洗練されたユーザーフレンドリーなコンピュータを作ったという。

Raspberry Pi製品化にはさまざまな障害があった。金銭的な問題や、価格と性能、あるいは価格とプログラム可能性の適切なトレードオフを見つけるのが大変だったためだ。たくさんのプロトタイプを作り、最終的に、子どもたちが興味を持てるほどパワフルで、ビデオを再生したりゲームをプレイしたり、Webにも行けるものを2010年の終わりから2011年にかけて完成させた。

アプトン氏は、一般的なコンピューティング教育が始まるのが非常に遅いことを問題視しており、8歳くらいの時期にプログラミング教育を始めるべきと主張している。今後、より多くの子どもたちに興味をもってもらえるよう、Raspberry Piのようなプラットフォームをより入手しやすくするだけでなく、教育者のトレーニングのようなサポートを提供していきたいという。「ものを、例えばロボットを動かすことのほうが、今の子どもたちにとっては、クールなのではないかと思います」。

Raspberry Piのニューモデルについて聞かれたアプトン氏は、現時点では具体的な予定はないとし、「ソフトウェアの最適化によってまだまだ大きくパフォーマンスを引き上げられると考えています」と答えている。 

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