3Dプリンタで作るマウスピースで睡眠時無呼吸症候群を治療
2014/05/13 11:00
睡眠時に無呼吸を引き起こす危険な姿勢をとっても、気道がふさがれることなく呼吸ができるよう設計されたマウスピースがオーストラリアで開発された。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、寝ている間に舌根部や軟口蓋が気道をふさぐことなどで短時間呼吸が止まる症状が起きる病気で、重症例では一晩の間にこれが数百回発生する。世界人口のうち約5%、数千万人という人々が、高血圧、脳卒中、不整脈、糖尿病などに繋がる無呼吸状態を有するという。
この治療のためCSIROとOventus(オーストラリアの歯科医療系企業)は、睡眠時に無呼吸状態を引き起こす危険な状態を防ぐマウスピースを、3Dプリンタで開発したという。CSIROによれば、このマウスピースは笛のように気道と口の外をつなぐ「ダックビル」と呼ばれる機構を持っており、これにより口や舌といった呼吸を妨げるものを避け、空気が喉の奥を通って流れる仕組みになっているという。
マウスピースはチタンで型を取ったあと、医療用プラスチックで印刷される。「この新しい器具は3Dスキャナを使用して患者個人個人の口に合わせて設計することが可能であり、ぴったり装着することでより快適に治療が出来るだろう」とOventus CEOのニール・アンダーソン氏は説明している。実際にマウスピースが臨床で使われるのは2015年になる見通しだという。