リコーが3Dプリンタ関連事業参入、ものづくり変革支援拠点を開設
2014/09/11 17:00
リコーは2014年9月8日、3Dプリンタをキーとしたアディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業に参入すると発表した。第一弾として神奈川県の横浜市と厚木市にものづくりイノベーション拠点「RICOH Rapid Fab(リコーラピッドファブ)」を開設する。
リコーグループは、20年以上にわたり設計業務で3Dプリンタを活用してきた実績と、試作や金型加工などの技術を持っており、これら実績と技術を融合したAM事業を立ち上げることで、顧客のものづくり現場におけるイノベーションを支援するとしている。
RICOH Rapid Fabでは、企業の設計・製造部門の顧客を中心として、3Dプリンタの活用によるものづくり変革を提案する。商品の確認のためのショールームとして利用できるほか、顧客のデータの3Dプリンタ出力サービス、またリコーの設計現場における3Dプリンタの活用事例に基づくコンサルティングサービスを提供する。「RICOH Rapid Fab 新横浜」は同社新横浜事業所内に9月8日に開設し、「RICOH Rapid Fab 厚木」は厚木事業所内に9月下旬に開設する予定。
また、リコーでは3Dプリンタで使用されているインクジェット、材料押出堆積(FFF:熱溶融積層)、粉体積層焼結などの技術に必要な、インクジェット技術と材料、粉体技術を有している。特に積層ピエゾ技術を用いたインクジェットヘッドは産業分野向けに外販しており、サイングラフィックスや3D造形など紙だけでないさまざまな印刷に活用されている。同社ではこうした技術を使って、3Dプリンタの自社製造・販売も視野に研究開発を進めていくとしている。