「GUGEN2014」結果発表、乳児の気持ちが分かる「おしゃぶりセンサ」が大賞
2014/12/17 17:00
ピーバンドットコムが主催する、世の中の課題を解決でき、実用性や商品性の高いアイデアを表彰するハードウェアコンテスト「GUGEN2014」の出展作品展示会と表彰式が、12月13、14日に秋葉原の富士ソフトビルで開催された。応募された126作品の中から一般投票と審査員による選考を経て、大賞には乳児向けセンサデバイス「おしゃぶりセンサ」が選ばれ、賞金100万円が授与された。
「GUGEN2014」はピーバンドットコムが主催するコンテスト。2008年から開催しており、当初は電子工作の普及のためのコンテストだったが、2013年からは近い将来普通にありそうなハードウェアを、実用性や商品性の観点で表彰するというコンセプトに変更し、GUGEN2013は筋電義手「handiii」(受賞時の名称は「handie」)が大賞を受賞した。
今年は126作品がエントリー、主催者によれば学生からの応募が昨年よりも20%ほど増加したという。表彰式が行われた会場には全応募作品が展示され、多くの来場者で賑わった。
大賞を受賞した「おしゃぶりセンサ」は東京大学大学院の研究員、石井健太郎さんと慶應義塾大学大学院の尾形正泰さんが開発。乳児が使用するおしゃぶりの中のセンサで吸い方や強さを計測し、そのパターンをデータベース化して分析することで、「もうすぐお腹がすきそう」「もうすぐ泣きそう」といった乳児の状態を推定したメッセージをスマートフォンで知らせるもの。
GUGENでは上位入賞者に対して、開発援助やマーケティング支援、事業化するに当たって必要なパートナー企業の紹介を提供するなど製品化を今後も支援していくという。
入賞作品及び最終選考に選ばれた作品は以下の通り
Raplus(優秀賞)
リハビリに使われる装具に取り付けることで膝の動きをアシストする装置。
先日のジェームズ ダイソンアワードでも国内選考において上位に入賞している。
コロコロプラグ(優秀賞)
スマートフォンのイヤフォンジャックに挿して、ローラー部を回転させることでいろいろなものの長さを計測できるツール。
計測したデータに合致する製品や虫、動物などを検索して表示する機能もアプリケーション側に備わっている。
Hikari×Tsumiki(グッドアイデア賞)
センサやスイッチ、光、音、論理演算などいくつもの独立した機能を持つ木のブロックを組み合わせることで、ラジコンや楽器などさまざまな機能を実現できるおもちゃ。開発者の川口一画さんが自分の子供のために開発した。
Scopion~スマートフォン連携距離測計~
距離センサから得たデータをBluetooth経由でスマートフォンに送ることができる距離測定器。 スマホアプリと連携することで、単純な距離の測定だけでなく、センサの前を往来した人をカウントする機能や、何かがセンサが接近した際など測定した距離データに応じてユーザーに通知する機能などを提供する。
OTOPOT
ポットのふたを開けるとメッセージの録音と再生ができるツール。
パーソナルホームセキュリティー:PRS
機器を取り付けたドアが開閉するたびに音や光、メールで通知するシステム。機能をシンプルにすることで低コストなホームセキュリティサービスの導入を目指して開発された。
口部入力インターフェイス for ALS患者&重度四肢障害者
手足が不自由なALS患者や障害者向けに、唇や口腔の圧力や噛む力を感知するコントローラーでPCの操作や車いすの操作を可能にするデバイス
電車に載せられる 電動バイク|折りたたみEV ~ ORIEV
折り畳み自転車をベースにした電動バイク。小型軽量で片手で持ち運びでき、公共交通機関に載せて運べる。
RulerBot
スライドさせた距離に応じて目盛りの数字が変わるデジタル定規。定規の長さ以上の距離の計測や描画がより正確にできる文房具。
(写真提供:GUGEN2014、撮影:加藤甫)