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金属活字母型を3Dデータ化するプロジェクト「Monotype Electro Display Matrix」

金属活字母型の詳細な3Dモデルを作製し誰でも3Dプリントできるようにするプロジェクト「Monotype Electro Display Matrix」がKickstarterに登場し、出資を募っている。

「Monotype(モノタイプ)」は、19世紀末に発明された欧文自動鋳植機だ。キーボードと鋳造機に分かれた構成で、キーボードで文字を押すとその文字ごとに決まった穴を紙テープに開ける。穴が開いた紙テープ鋳造機にかけると活字母型が選別され、活字の鋳造と植字を行う。活字組版に使用されてきた金属活字の母型は、印刷の歴史を語る工芸品でもあるが、数十年以上も製造されていないため、その数は不足しているという。

Monotype Electro Display Matrix
Monotype Electro Display Matrix

同プロジェクトは、母型から3Dプリント用に3Dモデルデータを作製する。3Dモデルデータをクリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC-BY 4.0(表示 4.0 国際)で配布し、誰でも母型を作製できるようにすることで、印刷技術の理解と保存に役立てる。CC-BY 4.0ライセンスでの配布開始は、支援者がデータを受領してから6カ月後の予定だ。

プロジェクトを立ち上げたGlenn Fleishman氏は、若い頃に植字工として修行を積み、グラフィックデザインを学んだ後に、ジャーナリストとして数々の雑誌に執筆するとともに印刷と言語の歴史に関する本も出版してきた人物だ。米Texas A&M大学らによる「3Dhotbed teaching tools」プロジェクトから着想を得て、今回のプロジェクトを企画したという。

実際にはまだ3Dモデルデータは作製されていないが、母型の材料にはPLAを使う予定で、製造コストや注文数に応じて、予算が許せば金属材料にアップグレードできるようにしたいとしている。

Monotype Electro Display Matrix

キャンペーン価格は、3Dモデルのデータのみが5ドル(約570円)で、送料は無料。発送は2022年1月の予定だ。3Dデータと3Dプリント母型のセットは25ドル(約2800円)で、3Dデータと3Dプリント母型に加えて実際に活字鋳造に使われていた母型を含むセットは50ドル(約5700円)。発送はいずれも2022年2月の予定で、日本への送料は15ドル(約1700円)だ。

Monotype Electro Display Matrixは、2021年11月19日までクラウドファンディングを実施中。2021年11月16日時点で、目標額2500ドル(約28万円)を上回る約4400ドル(約50万円)を集めている。

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