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コンクリート床面のひび割れを自動検査——イクシス、「自律走行式ひび割れ検査ロボット」を開発

イクシスは安藤ハザマと共同で、大空間構造物の床面ひび割れ検査を効率化する「自律走行式ひび割れ検査ロボット」を開発した。

大空間構造物の床面コンクリートのひび割れに対しては、竣工時や引き渡しの一定期間後に検査が必要になる。同検査は従来、検査員が近接目視で実測して結果を写真やスケッチで記録することが必要なため、多くの時間を要していた。また、これまで開発されていた画像認識によるひび割れ検出技術では、人手による画像取得作業が必要だったり、画像データが重いために、ひび割れ検出や記録書類作成に時間がかかるという課題があった。

今回共同開発した自律走行式ひび割れ検査ロボットは、走行台車型の検査ロボットが検査対象の床面を自動走行し一定間隔で自動撮影する。同時に撮影画像からAIがひび割れを検出。その結果を自動的に図面上に表示させるものだ。

幅0.1mm以上のひび割れを0.1mm単位で検出でき、検出したひび割れはCAD図面上に幅ごとに色分けして表示する。撮影装置を遮光カバーで覆い、カメラと床面の距離や角度、またフラッシュライトによって光量も一定に保たれるために、画像条件が一定となり高精度でひび割れ検出ができる。

SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術による自動走行によって、障害物を回避しながら1500m2の床面を約6時間で検査。撮影画像は無線LANによってPCに随時転送してひび割れ検出をタイムリーに実施するので、走行後にすぐに検査結果を図面にプロットして記録書類を作成できる。

実機試験にて検出したひび割れ箇所と、近接目視で実測したひび割れ箇所とを比較し、0.1mm以上のひび割れ箇所について適合率が90%以上になることを確認済だ。

同社では今後さらなる改良を加えながらさまざまな大空間構造物の工事現場に同検査ロボットを導入し、検査業務の効率化を図るとしている。

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