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MIT、熱硬化性プラスチックをリサイクルする新たな方法を開発

Image: stock image

米マサチューセッツ工科大学(MIT)は、2020年7月22日、エポキシ、ポリウレタン、タイヤに使用されるゴムなどの熱硬化性プラスチックを簡単に分解しリサイクルする手法を開発したと発表した。研究成果は、『Nature』に2020年7月22日付で発表されている。

熱硬化性プラスチックは、耐久性と耐熱性が求められる自動車や電化製品といった多くの製品に使用されているが、簡単にリサイクルできないことが欠点だ。熱硬化性プラスチックは、液体状態から固化した後に冷却されると、ポリマー分子間に非常に強力で壊れにくい共有結合が形成されるため液体状態には戻せない。再形成しようとして熱硬化性プラスチックを加熱しても、再形成する前に燃えてしまうという。

今回、研究者らは、シリルエーテル基を含むビルディングブロック(モノマー)を組み込んで、ドラッグデリバリー用の分解性ポリマーを作製するという、2019年に発表した先行研究の手法を応用した。このモノマーは材料全体にランダムに分布し、材料が酸、塩基、フッ化物などのイオンにさらされると、シリルエーテル結合が分解されるという。

今回開発したポリマーの合成に用いられる化学反応は、トラックやバスのボディパネルに使用されるポリジシクロペンタジエン(pDCPD)など、一部の熱硬化性プラスチックの製造にも使用されている。そこで、pDCPDを形成する液体前駆体にシリルエーテルモノマーを加えたところ、材料全体に対するシリルエーテルモノマーの割合が7.5〜10%であれば、pDCPDは機械的強度を保持しつつ、フッ化物イオンにさらされると可溶性粉末に分解される可能性を見出したという。

続いて、研究者らは分解した粉末の再利用を試み、新しいpDCPD作製にも成功した。再利用された粉末から作られたpDCPDは元の材料と比較してもほとんど区別がつかなかったという。

MITのJeremiah Johnson教授は、他の種類の重合反応に適した分解性モノマーが見つかれば、アクリル、エポキシ、シリコーン、加硫ゴムなど、他の熱硬化性材料へ同じ手法を用いて分解性を持つ材料を作製できる可能性を語っている。

研究者らは、開発した手法をライセンス供与し商用化するために会社設立も考えているという。これまでの化学分野では、より優れたプラスチックを合成するための研究に時間が費やされてきたが、ポリマー分解に着目したことは新鮮で、他の研究者からも注目を集めているようだ。この技術が部品製造業で活用されれば、低コストで熱硬化性プラスチックをリサイクルすることが可能となり、持続可能性の目標達成に貢献すると期待されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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