新しいものづくりがわかるメディア

RSS


スマートインフラシステムに向けた、発電機能を持つメタマテリアルコンクリートの開発

Credit: Amir Alavi via Midjourney

米ピッツバーグ大学を中心とする共同研究チームが、スマートな公共インフラシステムに応用できる、コンクリートに発電可能なメタマテリアルを取り入れた複合材料を開発した。

同研究成果は2023年2月4日、「Advanced Materials」誌に掲載された。

メタマテリアルとは、自然界の物質にはない振る舞いをする人工材料だ。同研究で開発したコンクリートのメタマテリアルは、グラファイト粉末充填の導電性セメントに、圧縮時にほとんど横ひずみを示さないオーセチック構造を持つポリマーを埋め込んだ複合材料だ。

特徴的な構造により、同複合材料は大きな圧縮性を示すとともに、圧縮の摩擦によって、ポリマー層間に接触電荷を誘発し、発電を可能とする。同複合材料を用いた試作品の実験では、繰り返し荷重されると15%まで圧縮でき、330μWの電力が発生することが分かった。

研究チームは、開発したメタマテリアルコンクリートについて、さまざまなスマートな公共インフラシステムへの応用を検討している。例えば、衝撃吸収能を利用した、航空機のオーバーランを防ぐためのアレスター・ベッドや自転車レーン舗装システム、建築構造物の免震システムなどである。さらに、コンクリートの発電機能を利用した、自動車と通信可能なスマートセンシング機能なども検討されている。現在研究チームは、ペンシルベニア州運輸省と提携し、道路で使用するメタマテリアルコンクリートを開発中だ。

ピッツバーグ大学のAmir Alavi教授は、「公共インフラには大量のコンクリートが使用されているため、経済/環境面においてより持続可能であり、かつ、高度な機能を備えた、新世代のコンクリート材料を開発する必要があります。われわれは、メタマテリアルを多様な建設材料として実際に導入することで、これらの目標をすべて達成できると考えています」と説明した。

fabcross for エンジニアより転載)

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る