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エンジニアなら花火もセンサで打ち上げろ!——MESHを振って花火を打ち上げるハック

MESH花火の詳細な仕様 by 繁冨広樹(システムフレンド)

MESHは現在7種類あり、それぞれ別の機能が備わっています。ブロック単体だけでは遊ぶことはできず、iOSの端末に専用アプリをダウンロードする必要があります(正確にはiOS8.0以降を搭載した、iPad第3世代以降、iPad mini、iPhone 4S以降、iPod Touch第5世代以降)。

専用アプリの役割は以下のようになっています。 

  • 各MESHタグとiOSをBluetoothを使って無線接続
  • レシピを作ることができ、タグ同士を連携

レシピは、アプリ内にそれぞれのタグに応じたアイコンが用意されていて、アイコンをつなげることでタグ同士をつなげることができます。また、タグ同士の接続だけではなく、無線で接続しているiOSのカメラ機能を、MESHアプリから使うことができます。MESHのボタンを押すとiOS端末のシャッターがきられるので、たとえば自撮り棒などが無くても離れた位置から自撮り撮影も簡単にできます。このように、MESHを使うことでさまざまな動作の組み合わせを作れます。

MESHのGPIOタグには計10本のピンがあり、その中に電流の発信と受信のピンがそれぞれ3本ずつあります。残りのピンには別の役割が備わっています。

システムフレンドの繁冨広樹くん。毎日こんな工作をしているわけではなく、普段はUnityを使ったアプリを開発している、れっきとしたエンジニアだ。 システムフレンドの繁冨広樹くん。毎日こんな工作をしているわけではなく、普段はUnityを使ったアプリを開発している、れっきとしたエンジニアだ。

今回のレシピの内容は以下のとおりです。

1:MoveアイコンからGPIOアイコンに連結
2:Moveタグを振るとGPIOから電流を発信

MESHの設定画面 MESHの設定画面

MESH(GPIO)の配線はRaspberry Piと接続されています。Raspberry Pi(以下ラズパイ)は基盤がむき出しになっている小型のマイコンです。今回は花火用のアプリ開発に活用しました。

  • MESH(GPIO)からの信号受信用配線
  • モーターを前回転させるための配線
  • モーターを逆回転させるための配線

などが接続されています。

MESH(GPIO)からの電流を受信すると、アプリ内で受信回数を数えていきます。今回は10回受信を受けるとモーターが回転し、電流を30秒間送る設定です。30秒経過すると次にモーターを逆回転させるためのピンが起動し、1サイクルを終えます(モーター側に4本ほど配線が出ていますが、Groundピンとモーターの電源を入れるためのピンが1本ずつあります)。

動きを感知するモジュールの設定画面 動きを感知するモジュールの設定画面

発射台はモーター、USBライター、モータードライバからなります。モーターには歯車、ライター側には歯車にかみ合うギアラックを付けています。モーターを回転させてふたをスライドさせると点火します。今回使用したモーターは、おもちゃなどに付属されている一般的なDCモーターです。そのため、電流が流れた一方向にしか回転しません。そこで、逆回転を可能にする部品として、モータードライバを使います。モータードライバはモーターを制御するための集積回路です。

今回の電子工作は、モータードライバに対して多くの配線が接続されています。1本は電流が最後に流れ着くGroundピン用の配線で、後はラズパイに接続された以下の3本のピン用です。

1:モーターそのものを起動させるためのピン
2:回転させるための命令を出すピン
3:逆回転命令を出すピン

ラズパイには、3.3Vと5Vの電流を流し続けているピンがあります。上の1には対して3.3Vのピンと接続していますが、モーターの回転速度を上げたい場合は、これを5Vのピンと差し替えることで加速させることができます。後は、動かしたいモーターの配線が接続されています。ちなみに2と3の命令を同時に出すと、同じ力がかかるためで停止します。

モーターはタミヤ製、歯車はレゴ製のものを使いました。モーターとライターの歯車の位置を合わせるためには、高さ調整用の台が必要になります。今回は花火を打ち上げるということで、どうしても火の粉が出てしまい、段ボールや木の箱だと燃えてしまう可能性が出てきます。材質としては「燃えない、溶けない」ことが条件となってきます。そこでまず思い浮かんだのはフライパンでしたが、持ち運びに適していないので、ホームセンターでオーブントースター用のトレイを見つけ複数枚購入し、自宅のコンロで火あぶりテスト後、台として採用しました。

普段はPC内で書いたコードがPC内で動く世界が当たり前でしたが、ラズパイやMESHは、書いたコードで実物のモノを動かすことができます。今回モーターが動いたり、モータードライバで逆回転できた時は感動しました。

MESH(GPIO)は本体も小さく無線通信なので、ロボット、モーターカーなど動くものに組み込みやすく、電子工作をする上で強力なアイテムだと思います。初心者でも簡単にチャレンジできる世界なので、まだ体験したことがない人は、ぜひ何か作ってモノを動かしてみてください。やってみたいことの幅が広がると思います。

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