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まったく新しい回転型プリントベッド採用の3Dプリンタ「Alta」

ノルウェーのトロンハイムで開催された“Maker Faire Trondheim”で披露されたFFF(熱溶融積層)方式3Dプリンタ「Alta」は、押出機に対してプリントベッドが2重の軸で回転する、斬新な動きで話題を呼んでいる。

これまでもプリントベッドが回転する方式の3Dプリンタは存在するが、それらは回転軸が1つで、レコードプレーヤーのターンテーブルのような動きをするもので、押出機は回転軸に対して水平/垂直方向に動くというものだった。

しかしAltaはプリントベッドを、サーボモーターで回転する線形アームと、そのアームの先にあるもう1つのサーボモーターで回転するディスクの上に据えることで、水平方向に自在に動く構造を実現した。よって、X軸Y軸という概念は存在しない。かといって、特別なソフトウェアを必要とせず、通常使用される3DプリントのためのソフトウェアやSTLフォーマットと互換性があるという。

「3Dプリンタの複雑さのほとんどは、直線的にしか動けないという点からくる」と製作者であるSkogsrud氏は考えた。「そこでX軸Y軸という概念を捨て、線形アームと回転ディスクの両方を直接動かすことにした。これまでの3Dプリンタと共通しているのはZ軸の層という考え方だけだ」とSkogsrud氏は述べている。

この構造では直線方向にプリントベッドや押出機を動かすためのベアリング、ベルト、ギアなどの機構が不要で、多少の金属部品とサーボモーターのみが動くため、これまでの3Dプリンタと比べ可動音が静かなことが特徴だ。

Altaは2014年内にKickstarterで資金調達を開始する予定で、価格は1台約1500ドルを想定しているという。 

MakezineによるSkogsrud氏インタビュー。Altaの動作がわかる。

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