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イオン濃度で制御でき、ブロックのように組み立てられるハイドロゲル——ソフトロボットやマイクロ流体デバイスへの応用も

Credit: Wong Lab / Brown University

米ブラウン大の研究チームは、異なる性質を持った2種類のポリマーを組み合わせることで、グリッパーのように曲げたり、LEGOブロックのように組み立てられるハイドロゲルを開発した。複雑な動きや構造のソフトロボットやマイクロ流体デバイスの作製が可能になり、生物医学分野での利用が期待できる。研究成果は、2019年3月18日付けの『Polymer Chemistry』に掲載された。

ハイドロゲルは人間の細胞のように柔らかく曲げやすいため、生体に無害なものが生物医学分野で利用されている。ハイドロゲルはその架橋方式によって大きく2種類に分けられる。1つは共有結合によるもので、結合力が強いが不可逆的で、架橋を解くには構造を壊すしかない。もう1つはイオン結合によるもので、結合力は弱いが可逆的で、イオンの添加と除去で架橋を制御できる。

研究チームは、共有架橋したPEGDA(ポリエチレングリコールジアクリレート)とイオン架橋したPAA(ポリアクリル酸)を組み合わせたハイドロゲルを開発。PEGDAの強い結合力はデバイスの構造の基礎となり、PAAの可逆性は外部刺激による動的挙動を可能にする。「その2つを組み合わせると、1+1以上の働きをする材料になる」と、筆頭著者のThomas Valentin氏は語る。

高濃度のイオンを添加すると、PAAの架橋が促進されハイドロゲルが収縮する。その性質を利用して、ソフトグリッパーを作製した。物を掴む部分は2層構造とし、片面はPEGDAのみ、反対側はPEGDA-PAAの混合物とする。イオンを添加すると、PEGDA-PAA側が収縮し、グリッパーが閉じる仕組みだ。1g程度の物なら持ち上げてその場で保持できる。

中濃度のイオン添加では別の特性、ハイドロゲル同士の強い自己接着性を示す。これは複雑な構造を持ったマイクロ流体デバイスの作製法として期待できる。研究チームは、まずマイクロ流体構造を作製し、上下を別のブロックで挟み込んだ。ブロックの表面は凸状または凹状で、LEGOブロックのように組み立てられる。イオン添加後、自己接着した耐水シーリングが完成した。「マイクロ流体デバイス用の様々なパーツをあらかじめたくさん用意できるという点で、LEGOブロックモジュール方式は興味深い」とValentin氏は語る。

これら構造体は3Dプリンターを使用して作ることができる。今回使用したサンプルの中には3~4カ月前のものもあり、未使用ブロックの長期保存も問題なさそうだ。今後は、ポリマーの特性を微調整し、さらに耐久性と機能性の向上を目指すとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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