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レゴブロック状の「音響レンズ」を使い、超指向性オーディオ・スポットライトを構築

レゴブロックのような構造の音響レンズを用いた「オーディオ・スポットライト」の配置

サセックス大学とブリストル大学の研究チームが、レゴブロックのような形状の音響レンズを用いて、鋭い指向性を持ち、特定の狭い範囲にだけ選択的に音を伝達できるオーディオ・スポットライトを考案した。レゴブロック状の平面メタマテリアルを使い、よく知られている光学レンズの原理が音響にも適用できることを示したものだ。研究成果は、2019年5月4日~9日にグラスゴーで開催された「コンピュータ・システムにおけるヒューマン・ファクターに関するCHI Conference」において発表された。

このオーディオ・スポットライトは、パラメトリック・スピーカーとも呼ばれ、超音波を使うことで鋭い指向性を備えた音響システムだ。ビーム上の音場を形成することで特定の狭い範囲にいる人だけに選択的に音を届ける仕組みで、アミューズメント施設等に利用されている。しかし、直進性の強い超音波トランスデューサを、複数個アレイ形式として使用する等、高価な設備機器が必要、かつ高品位なサウンドの生成は難しいとされる。

研究チームは、光学分野におけるメタマテリアルにヒントを得て、光学レンズのような収束機能を持つ音響レンズを用いた。これにより、標準的なスピーカーから発生する音をベースとし、指向性の強い音響ビームを安価に作り出すことに成功した。メタマテリアルは、電磁波の波長よりも微細な機械的構造を利用して,光学的な特性を人工的に制御した物質だ。例えば、透磁率と誘電率を同時に負の値とすることで,負の屈折率を持つ物質を作り出せる等、近年注目されている。

今回研究チームが考案した音響メタマテリアルは、プラスティックや紙、木材、ゴムといった一般的な材料から構成され、レゴブロックをレンガ状に組んだような内部構造を備えている。この構造によって、あたかもレンズのように、通過する音を収束、屈折する等、変換できる機能を実現している。研究チームは、標準的なスピーカーから発生する音を、指向性の強い音響ビームに変換するコリメータや、虫眼鏡のようにズーミング可能な可変焦点型収束レンズを製作することに成功した。フェーズドアレイよりも小型で安価かつ製作が容易であるとともに、広い帯域幅でレンズ収差が低いという特長も持つ。

研究チームは、この技術によって群衆の中にいる特定の個人にだけ情報を伝達できる超指向性スピーカーを実現できるとし、エンターテインメント分野のみならず、多くの一般通信分野においても変革をもたらすとの期待をみせている。例えば、大型機械の特定部位における音を聞いて機械の中の欠陥を特定したり、真の意味で360度全方位にわたる音響効果を実現し、コンサートや劇場の音響システムを変革する可能性がある。

fabcross for エンジニアより転載)

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