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太陽光を受けて宇宙を進む帆船——ソーラーセイル「LightSail 2」打ち上げ成功

Planetary Society(惑星協会)は2019年6月25日、「LightSail 2」を載せたSpaceXの「Falcon Heavy」が打ち上げに成功したと発表した。うまくいけば、地球周回軌道を航行する初めてのソーラーセイル宇宙船となる。

惑星協会は1980年に、Carl Sagan、Bruce Murray、Louis Friedmanの3氏が設立。「3人は世界中の人々に宇宙科学と宇宙探査を進める力を与えるために協会を設立した」と、CEOのBill Nye氏は語る。ソーラーセイル宇宙船を利用した宇宙の探索は、Carl Sagan教授が思い描いていた夢でもある。

LightSail 2の特徴はなんと言っても、その推進方法だ。太陽光の光子を帆で反射させ、その運動量を推進力に変えて航行する。ソーラーセイルの大きさは5.6×5.6m、反射率の高いポリエステルフィルム製で、厚さはわずか4.5μmと人間の髪の毛より薄い。

LightSail 2は、2019年7月2日に「Prox-1」衛星から放出される。動作チェックを数日行った後、いよいよソーラーセイルを広げる。太陽からペーパークリップの重さ程度の力を受けながら、約1年の間、地球の上空720kmを周回する予定だ。

今回の打ち上げは米国防総省のSTP-2計画によるもので、Falcon Heavyロケットには24機の人工衛星が搭載されている。LightSail 2をはじめ、NASAのグリーン燃料を使った推進システム「GPIM」など、様々なミッションを予定している。

fabcross for エンジニアより転載)

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