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3Dプリント製サンゴで、微細藻類の成長を100倍加速——サンゴ礁の共生をヒントにした高効率集光システムの研究

Credit: Daniel Wangpraseurt

ケンブリッジ大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校は、サンゴの微細構造を模倣して微細藻類を速く成長させることができる構造を3Dプリントにより作製した。この研究は2020年4月9日、『Nature Communications』に掲載された。

海では、サンゴと藻類は複雑な共生関係にある。サンゴは藻類の宿主となり、藻類は光合成によって糖を生成しサンゴに与える。この関係が、地球上で最も多様で生産的な生態系のひとつであるサンゴ礁を作り出している。サンゴは光を収集し使用するのに非常に効率的だ。研究チームは、サンゴが光エネルギーを効率的に収集する仕組みを模倣して商業利用する方法を探っている。

同チームは、超音波診断の光版である「光コヒーレンストモグラフィ」を用いて生きているサンゴをスキャンし、そのモデルを利用して3Dプリントサンゴを設計した。自然のサンゴの入り組んだマイクロスケール構造を作成するために、人工肝臓細胞のバイオプリント向けの高速3Dバイオプリンティング技術を使用した。

人工サンゴの作製には、生体適合性材料のみが使用され、セルロースナノ材料をドープしたポリマーゲルとヒドロゲルの組み合わせで組織と骨格を作成した。セルロースは豊富にある生体高分子だ。光の散乱に優れており、光合成藻類への光の供給を最適化するために使用した。

プリントされたサンゴは、自然のサンゴ構造と集光特性をコピーし、生きている微細藻類のための人工的な宿主の微細環境を作り出す。自然のサンゴと同様に、光の再分配に非常に効率的だった。これを藻類の成長のための培養器として用い、さまざまな種類の微細藻類をテストしたところ、成長速度が標準の液体増殖培地よりも100倍高いことが分かった。

この成果は、生物にヒントを得た新しい材料への扉を開くとともに、サンゴ保全への応用も可能にするものだ。サンゴと藻類共生のモデルシステムは、サンゴ礁が衰退している今、共生の崩壊を理解するために緊急に必要とされている。このモデルシステムとしても、3Dバイオプリントサンゴを使用できる。

研究チームは、mantazという会社を設立し、サンゴにヒントを得た集光アプローチを用いて、バイオ製品用の藻類を培養している。この技術が将来的にスケーラブルなものになり、サンゴ礁の死の原因となる温室効果ガスの排出量削減につながることが期待されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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