3Dプリント造形物の表面仕上げに——気化式表面処理加工機「PolySmoother」
2021/02/04 11:00
3Dプリント造形物の積層痕を消せる表面処理加工機「PolySmoother」がKickstarterに登場し、人気を集めている。
FFF方式の3Dプリンターで造形すると表面に凸凹の段差ができてしまうため、見た目を良くするために仕上げ加工をする場合がある。しかし、やすり掛けして磨くのは時間がかかるし、溶剤での処理は取り扱いに慣れていないと難しい。
PolySmootherは、一定の温度で溶剤を熱して気化させ3Dプリント造形物の表面を均一に処理できるツールだ。
素材に合った溶剤を容器の底に高さ1mm程度注ぎ、3Dプリントした造形物をトレイに置くか、トレイ両端のサイドバーにワイヤーなどで引っ掛けて吊るす。ふたをして処理時間と温度を設定し、電源ボタンを押すと、容器内は熱せられて気化した溶剤で満たされ、造形物の表面は少しずつ溶けていく。処理が完了したら造形物には触らずトレイごと取り出して乾かせば、表面を研磨したような仕上がりになる。
造形物の大きさにもよるが、加熱時間は5~10分。乾燥時間は5~30分としている。クリエイターは、安全のため換気が良い場所で手袋やゴーグルを着用のうえ使用することを勧めている。
PolySmootherは、ステンレススチール製の密閉容器に、温度調整ノブ、タイマー、スタートボタンの3つが付いているというシンプルな構造だ。上面のふたはガラス製なので、処理中に中の様子を確認できる。また、過熱防止機能やサーモスタットも搭載している。
PolySmootherの外形サイズ(取っ手部分含まず)は210×423×321mm、重量は10kg。最大176×325×200mmの大きさの造形物を入れて処理することが可能だ。
PolySmootherの特別早割価格は129ドル(約1万3000円)。出荷は2021年6月の予定で、日本への送料は40ドル(約4200円)だ。
PolySmootherは、2021年2月28日までクラウドファンディングを実施。キャンペーン開始後わずか7分で目標額5000ドル(約53万円)を達成し、2021年2月4日時点で目標額の92倍を上回る約46万ドル(約4800万円)を集めている。