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横浜国立大学の研究グループ、3Dプリンターで3次元フレキシブル配線を作製

(a)表面処理を行なったポリイミド上に造形したフレキシブル配線と青色発光ダイオードを発光させた例 (b)3D構造体の例1:ピラーと配線 (c)3D構造体の例2:階段状ピラミッドの例

横浜国立大学の研究グループは、導電性を有するフレキシブルな3次元造形物を3Dプリンターで作製することに成功した。

同研究では独自に開発した光硬化性樹脂を用いて、光造形法で任意の3次元構造体を作製し、その後に構造体に後処理を実行することで、16Scm-1の導電性を有する3次元構造体を形成できることが確認された。

ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)は光造形の際に光を減衰させるため、直接硬化が困難という問題点があった。Kurselisらの先行研究では、PEDOTの前駆体となる無色透明な3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)と光硬化樹脂を混ぜ合わせ、光造形で任意の形状を作製したのち、造形物内部のEDOTをPEDOTへ後処理で変換することで導電性を有する3D構造体の作製に成功していた。

先行研究では光硬化性樹脂の選択によってフレキシブルな造形物を作製できる可能性を示唆していたが、導電性は最大でも0.04Scm-1と配線材料に用いるには低く、また導電性を上げるためにEDOTの量を増やそうとすると造形物の構造が崩れる点が課題だった。

横浜国立大学の研究では後処理の過程に注目した。先行研究では、塩化鉄を用いてEDOTをPEDOTへ変換する(酸化重合)とともに、塩化鉄でPEDOTのドープ処理を実行していた。同研究では、先行研究が1段階で実行していたこれらの処理を、EDOTをPEDOTへ変換する酸化重合反応と、ドープ処理の2段階に分けて実施。酸化重合反応では先行研究と同様に塩化鉄を用い、ドープ処理にはp-トルエンスルホン酸(PTSA)を用いた。

その結果、EDOTの含有量を先行研究の半分以下に減らしたにもかかわらず、導電性を16Scm-1と100倍以上に向上させることに成功した。また、光硬化性樹脂の成分として柔軟な造形物が得られるポリエチレングリコール(600)ジメタクリレートを用いたことにより、後処理後にピンセットで屈曲可能な柔軟性を有することが確認された。

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