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木星や土星の衛星探査を目指す小型水中ロボット「SWIM」——米NASAが開発中

NASA(アメリカ航空宇宙局)のJPL(ジェット推進研究所)は、2024年11月20日、同研究所が推進する小型水中ロボット「SWIM(Sensing With Independent Micro-swimmers)」の開発状況を、ブログで紹介した。

木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスは、表面が厚い氷で覆われ、その下には液体の塩水海が存在すると考えられている。SWIMは、これらの衛星にある海の探査を目的とし、120mmほどの小型ロボットの群れをつくり、生命の痕跡を探る計画だ。

JPLは、プラスチック製の2種類の試作機を製作した。一方は、重さ1.7kg、長さ370mm、幅150mm、高さ65mmで、もう1つの改良型は若干大きく、長さ420mm、高さ75mm、重さ2.3kgになる。市販のモーターと電子機器を使用して、2つのプロペラで推進し、2~4枚のフラップで操舵する。

特筆すべきは、改良型試作機の性能だ。米Caltech(カリフォルニア工科大学)のプールで実施したテストでは、完全な自律制御によりコース維持や進路修正、芝刈り機のような往復探査パターンをこなした。また、航行の軌跡で「J-P-L」の文字を綴ることに成功した。

実用機の寸法は、試作機の3分の1程度になる予定で、既存の遠隔操作型や自律型の水中探査機と比べると、さらに小型化した設計になる。実用機では、専用設計の小型パーツを搭載し、水中音響通信システムによりデータ送信と位置測定を行う計画だ。

JPLのブログでは、このような先進的なコンセプトの機材が宇宙飛行に備えるには、さらに数年の開発期間が必要だと説明している。

fabcross for エンジニアより転載)

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