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Maker Faire Tokyo 2014注目のMaker

ネット論争に終止符!?「きのこたけのこ判別機」がかわいい

毎年秋に開催される、日本最大の個人のものづくりフェス「Maker Faire Tokyo 2014(MFT2014)」。fabcrossでは3週に渡ってMFT2014に出展する注目のMakerを紹介する。
3週目の今回はネット上でも時折熱い議論になる「きのこの山」「たけのこの里」論争ネタがきっかけとなって「きのこたけのこ判別機」を開発したきりんさんに、開発の経緯と無駄に高い技術力の源泉を伺った。(撮影:加藤甫)

まずはこちらの動画をご覧いただきたい。

時々うまくつかめない様子もかわいいロボットアーム「きのこたけのこ判別機」はその名の通り、明治の人気商品「きのこの山」と「たけのこの里」を、画像認識技術を駆使して判別し振り分けるロボットアームだ。

今年4月に開催され、12万人もの来場者を記録したイベント「ニコニコ超会議3」に出展されるとさまざまなメディアに取り上げられ、まだ「ニコニコ動画」に作者による動画は掲載されていないにも関わらず、今回のMFT2014でに注目の出展者として紹介されるなど、異常な盛り上がりを見せている。

作者のきりんさんは生粋のMakerだ。 作者のきりんさんは生粋のMakerだ。

このロボットアームを開発したのはニコニコ技術部として活動しているきりんさん。

子どものころから家にあるもので工作をするのが好きで、大学では画像処理を専攻し、ロボット開発のサークルに所属。卒業後もエンジニアとして働く傍ら画像処理に関するさまざまなプログラムを開発して、「ニコニコ生放送」で配信している生粋のMakerで、2008年に多摩美術大学八王子キャンパスで開催されたMaker Faire Tokyoの前身イベント「Make: Tokyo Meeting」第2回からほぼ毎回参加しているMaker Faireの常連だ。

ちゃんと識別している。 ちゃんと識別している。

シンプルなルックスだが、きのこたけのこ判別機には高度な技術が詰まっている。まず、ロボットアームの後ろに取り付けられたカメラで撮影した画像から、PCアプリケーション上で画像認識アルゴリズムを使ってきのことたけのこを判別する。具体的にはチョコの茶色とクッキーのベージュと背景の白の3色をそれぞれ識別して、背景の上に乗ったきのことたけのこを一つずつ認識する。

次にきのことたけのこをそれぞれチョコが上、クッキーが下になるように画像を回転して、クッキー部分が縦に長かったらきのこ、横に長かったらたけのこと判別して、きのこは右のカップ、たけのこは左のカップに移動させるプログラムが組み込まれている。最初の3色で識別する段階だけでも、ノイズや影の除去など正しく認識させるためのさまざまな工夫が凝らされているという。

役に立つかどうかは全く考えていない

低予算で面白いものを作るというのがきりんさんのポリシーだという。

「ものを作る時はニコニコ動画にアップすることを前提に、自分が作って面白いか、他人が見て面白いと思うかを基準にしています。役に立つかどうかは全く考えていないですね。中身も基本的にはモーターや電子部品以外はホームセンターで買えるもので組んでます。お金をかければ実現できる事ってあまりうけなくて、『なんでこんなに安いものでやっちゃったの!?』みたいなリアクションが生まれるぐらいがちょうどいいと思います」

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