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技あり! ファブテク研究会

MimakiでUVプリンタの本気を見た!——つまようじにマイボトル、MacBookにも印刷してみた

目指せ職人! 位置合わせを極めよう

UVプリンタを利用する際に重要になるのが、印刷データと実物の位置合わせ。作業エリアの中に正しく素材を配置しないと、印刷したいデータが素材からはみ出たりズレたりしてしまう。せっかくの素材を無駄にしないためにも、位置合わせには細心の注意を払いたい。

そのため、まずは作業エリアに白い紙を敷き、素材の形状に合わせた外形線のデータを印刷しておこう。このガイドに合わせて素材を配置すれば、位置が大きくずれることはない。それでも不安な場合は素材をマスキングテープなどで覆い、その上にテストプリントして具合を確かめる方法も効果的だ。

さて、僕が化石を作るかたわら、渡辺さんはつまようじを取り出して並べ始めている様子。

印刷するものに合わせてガイドも変更しよう 印刷するものに合わせてガイドも変更しよう

しっかりと本数分のガイドを作り、その上に一本ずつ並べる姿は職人のよう。作業の丁寧さはさすがだが、一本の横幅はたったの2mm。果たしてうまく印刷できるのだろうか…?

安心してください、できてますよ! 安心してください、できてますよ!

そんな心配をよそに、お弁当の時間を楽しくするメッセージ付きのつまようじが完成! それもそのはず、渡辺さんが使用した「UJF-7151plus」という機種、なんと腕時計の盤面印刷にも使えるほど精度を誇るという。UVプリンタの精度と正確な位置合わせを組み合わせれば、こんなに細かいものまで作ることができるのだ。

もはや3D? 特殊インクを使いこなせ!

UVプリンタでは基本のカラーに加え、機種によってクリアインクプライマーという特殊なインクを利用することができる。クリアインクとは、その名の通り透明なインクのこと。それ自体に色はついていないが、下地となる素材と組み合わせれば特殊なテクスチャを表現できる。

色の上にクリアインクを印刷したサンプル集。 色の上にクリアインクを印刷したサンプル集。

このテクスチャに注目した渡辺さんは、照明入りのガラス瓶に利用してみる様子。四角い瓶の各面に緑色のグラデーションを印刷し、その上にクリアインクで模様を乗せていく。

クリアインクのテクスチャによって、内側の明かりがぼんやりとゆがんで良い表情を見せる。透明色だからこそできる表現だといえるだろう。

スペシャリスト杉原さんは自身のMacBookに印刷を試みるとのこと。ただし、金属はそのままだとインクとの密着性が悪く、定着せずにはがれてしまうことがある。

※杉原さんは猛者なのですでに別の模様を印刷していたため、まずはやすりではがしています。 ※杉原さんは猛者なのですでに別の模様を印刷していたため、まずはやすりではがしています。
はく離してしまったクリアインク。 はく離してしまったクリアインク。

このようなインクと相性の悪い素材に利用するのが、プライマーと呼ばれる下地処理剤だ。プライマーを塗布することで、金属など表面がツルツルした素材に対しても安定してUVプリントを行うことができる。

大事な部分をマスキングした後、プライマー→クリアインクの順でプリント。 大事な部分をマスキングした後、プライマー→クリアインクの順でプリント。
金属板のような見た目に。COOL! 金属板のような見た目に。COOL!

プライマーの効果もあり、MacBookにクリアインクがばっちりと乗った。ボリュームを出すため、同じデータを何度もクリアインクで印刷していたようだ。ぷっくりした質感が魅力的だが、印刷の回数だけ時間がかかってしまうことには注意しよう。

石、つまようじ、ガラスにMacBookとジャンルを問わない活躍を見せるUVプリンタ。次のページでは、さらに発展的な形状に挑戦します。

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