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『ファブラボ北加賀屋』インタビュー

僕等の暮らしに「FabLab」が必要な理由

いまや世界50カ国200カ所以上、急速なペースで増えている「FabLab(ファブラボ)」。 “最先端のデジタル工作機器を自由に使える”だけでなく“社会の構造まで変えてしまう!”かもしれないFabLabって一体どんなところ? その魅力を探りに、西日本初のFabLabとして2013年4月に大阪市住之江区に開設された『FabLab Kitakagaya(ファブラボ北加賀屋)』を訪れた。ユニークな人々が集うこのFabLabは運営メンバーも多彩。立ち上げから関わってこられた美術家の白石晃一さん、サステナブルデザインが専門の津田和俊さんにファブラボ北加賀屋の目指す形を伺った。

ほしいものは自分達でつくる! 実験的な市民工房

家具工場跡地を改造して作られた恊働スペース「コーポ北加賀屋」。共有スペースではライブイベントや写真展などさまざまなイベントが行われる。

津田(敬称略、以下同) FabLabとは、アナログからデジタルまでさまざまな機材を使って、暮らしに必要なものやほしいものは何でも自分達でつくってしまおうという実験的な市民工房です。それだけでなく「つくりかた」の知識・知恵や技術は国境を越えて世界中のFabLabber達と共有することによって、ネットワークに繋がった個人を起点とした「つくりかた」の未来を探る場でもあります。

ここ「FabLab Kitakagaya」でも、メンバーになれば3Dプリンタやレーザーカッターなどのデジタル工作機器を使用できますし、新たな体験を得る場として定期的にワークショップやイベントなども行っています。

循環型社会やサステナブルデザインを研究されている津田和俊さん。持続可能な自分達の暮らしを具体化する試みのひとつとして、FabLabの活動に参加。

白石(敬称略、以下同) 私たちは2012年1月から「関西にもFabLabが欲しい」という有志のメンバーで何度も設立に向けた議論を重ね、今年4月に縁あってこの地に開設することができました。

この北加賀屋エリアというのがなかなか面白い場所なんです。このあたりは「芸術・文化が集積する創造拠点」として街を再生する「クリエイティブ・ビレッジ構想」というのを進めていて、空き物件をクリエイターに貸し出しているんです。「FabLab Kitakagaya」のある「コーポ北加賀屋」という建物も恊働スタジオと銘打ってあり、設計事務所、ギャラリー、木工所、デザイナー、フォトグラファーなど7団体が入居して自治運営を行っています。

美術家の白石晃一さんは「他者が作品に介入することで起こる変化」をテーマに作品を制作していることから、集まる人によって進化するFabLabに興味を持たれたという。

白石 “ここにきたら何か新しいものつくらなきゃいけない”、“製品レベルのものを作らなきゃいけない”、なんて思う必要は全くなくて。簡単でもいいから作りたいものを作ってみればいいんですよ。結婚式のネームプレートや、コースターを作った方もいました。ただ、大切なのは最後まで作りきること。そして、一度作って終わりにせず、作ったものをアップデートしていける環境があるということが重要な気がしています。試行錯誤したり、いろんな人のアドバイスを聞きながら改良したりすることで、FabLabならではの創造性や、ものづくりの真の面白さが見えてくるんです。

津田 価値がまだよくわからないものが生まれてくるのがFabLabのいいところ。不完全なものに価値を見出していく過程や、そこで起こる周囲の方達との対話が面白いし大切だと思っています。海外のFabLabを見ていても本当にクレイジーなものをたくさんつくっていて(笑)。でも、それが面白いし魅力なんです。

白石 作るということを僕たちは絶対に否定しない。でも何でも「いいね」と言うのではなく、作られたものに対して誠実に評価したり、議論したりしていく姿勢は保っていきたいです。

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