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『ファブラボ北加賀屋』インタビュー

僕等の暮らしに「FabLab」が必要な理由

これからの暮らしにFabLabが果たす役割とは

利用できる機材は、3Dプリンタ、ペーパーカッター、レーザー加工機、刺繍ミシン、CNCミリングマシン、CNCルーターなど。

白石 まず単純にものを作るのってやっぱりすごく楽しいんですよ。手を動かして何かすると、それに伴って新しい回路が生まれてくるんです。

津田 頭だけじゃなくて手でも考える。都市だけでなく地方でもやってみたり、ローカルではじめたことがグローバルに繋がっていったり。FabLabはそんな両極にある(と思い込んでいる)もの同士を繋ぐことで、より豊かな創造を生み出す場だと思います。デジタルファブリケーションも本質は物質と情報を繋げていくことですし、デジタル工作機械を使って何かつくる、ということが全てではないんです。

白石 ものを作った経験がないと目の前にあるものがどうやってできているのか、そして、ものを作るのがどのくらい大変なのか分からないですよね。
何でも買える今の日本では、そういったことが解らなくてもそんなに困りませんが、この先、社会が不安定になって、もう少し自分たちでものを作らないといけなくなったり、壊れたら自分で修理しなくてはならない、という状況になったら、みんなやっぱり困ると思うんです。
その備えというか、自分のなかに“作るための回路”を持っておくことって大事な気がするんですよね。

より“しなやか”に生きていくための装置

ラボの機材は、現在、金曜の13:00~19:00、土・日曜の9:00~19:00に予約制で使える。各機材の使用方法を学ぶ講習会があるので初心者でも安心。

津田 資源の使い方が上手になるということは、限られた資源のなかで暮らしていくために、とても重要なことです。今後、資源制約が厳しくなるのは避けられないでしょうから、そのなかでどうやって自分達は生きていくのかを今から考えなければならない。FabLabの活動・取り組みは、自分達の暮らしを“しなやか”にしていくためのひとつの方法だと思います。今ある選択肢を増やしておくための装置というか。

白石 “しなやか”っていいですねえ。“豊かな”より“しなやか”なほうがいい! 豊かって単に増えるだけみたいなイメージがあるし。

津田 ものを自分達でつくってみることで、本当に必要なものはなんだろうと吟味する機会が生まれ、ものとの付き合いを大切に考えるようになる。そうやって暮らしを“しなやか”にしていくことがFabLabの役目かもしれない。うん、“しなやか”でいきましょう!

FabLab Kitakagayaはまだ始まったばかり。「状況の変化やメンバーの意向にあわせて、この場もどんどんアップデートしていきたい」。

白石晃一
1980年新潟県出身。長岡造形大学で金属工芸を学ぶ。後、同校助手として勤務。
2008年より京都造形芸術大学ウルトラファクトリーに勤務。関西に拠点を移し制作活動を行う。工芸的技法や素材研究をベースに現代美術の分野で作品を発表。ギミックを持った作品を社会にインストール、アクションを起こすことをテーマに、多様な複合素材で、虹を作る装置や二足歩行ロボなどキネティックな作品を制作、パフォーマンスなどを行う。

津田和俊
1981年、岡山県新庄村生まれ。2008年、千葉大学大学院自然科学研究科多様性科学専攻修了、博士(工学)。2011年から大阪大学工学部/大学院工学研究科創造工学センター助教。ものの流れや循環に着目しながら、自然環境と人の関係性について考察している。共著に『FABに何が可能か「つくりながら生きる」21世紀の野生の思考』(フィルムアート社、2013年)。

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