リモートワークで需要急増! キーボード専門店「遊舎工房」で自作キーボードのオススメを教えてもらいました
コロナ禍でリモートワークが増えて、自宅に仕事環境を構築している人も多いことでしょう。まずは椅子、そしてパソコン、モニター、オンライン会議用のマイクだったりヘッドホンだったり、机だって新調しちゃったもんね、なんて声をよく耳にします。
もちろん、それらはリモートワークにおいてとても重要。でも何かひとつ忘れてません? リモートワークで一番使うものですよ。そう、キーボード! パソコンで仕事をする上で、キーボードは必要不可欠。しかも利用頻度がめちゃくちゃ高い。直接自分の指が触れるデバイスですから、キーボードをよりよいものにすると、作業効率が大きく変わる可能性は高いはずです。
最近では、高品質なキーボードがじわじわと人気になっているんだとか。しかも、自作する人も多いそうなんです。キーボードの自作って、なんかすごそう!
ということで、われわれfabcrossキーボード捜索隊(隊員1人)は、東京は秋葉原にあるキーボード専門店「遊舎工房」さんにお邪魔して、代表取締役の倉内誠さんにコロナ禍におけるキーボード需要について、そして遊舎工房で人気のキーボードについてお話を伺いました。
リモートワークでキーボード需要がアップ
倉内さんいわく、コロナ禍になって確実に売り上げがアップしたとのこと。そもそも、リモートワークの普及によりキーボードを購入する人が増えていて、その影響もあって遊舎工房でキーボードを購入する人も増えているそうです。
遊舎工房は、いわゆる市販のキーボードが並んでいるタイプのショップではなく、キー配列、キースイッチ、キーキャップ、基板などをカスタマイズして自作するキットやパーツを扱っています。基本的に自分ではんだごてを使って作る必要があるのでかなりハードルが高そうですが、チャレンジする人も多いそうです。
人気は左右分割型キーボード。1日あれば完成できる
最近人気なのは、本体が左右に分かれる分割タイプ。このタイプは逆ハの字に置いてタイピングができるので、手首が自然な角度になって疲れにくいというメリットがあります。
遊舎工房でも分割タイプのキーボードをいくつか扱っていますが、最近ではこれまで自分が使っていたキーボードに近いタイプの分割キーボードが人気なんだとか。また、日本語配列(JIS配列)のキーボードも人気になっているようです(キーボードマニアはたいてい英語配列のキーボードを選びがち)。
実は僕、キーボードが大好きで古いものから最新のものまでいろいろ集めていたりします。でも、さすがに自分で作ってみようとは思ったことがありませんでした。キースイッチをひとつひとつはんだ付けするなんて、考えただけでも気が遠くなりそう……。でも、自分だけの理想のキーボードは魅力的です。
「自作のための工作室も併設していますので、工具を持っていなくてもそちらで組み立てをしていただくことも可能です。また、キットによっては組み立てサービスというものも行っています。好きなキットとスイッチを指定していただければ、こちらで組み立ててお送りします」(倉内さん)
もちろん、工房利用や組み立てサービスは有料になりますが、それでも自分の好みのキーボードを作ってもらえるのはいいですね。僕なら組み立てサービス使うだろうなぁ。
なお、キーボードキットの組み立ては、はんだ付けが必要なタイプでだいたい5、6時間で完成するとのこと(LED埋め込みタイプなどはもっと時間がかかります)。1日あればできる感じですね。また、はんだ付けが不要なタイプもあり、そちらはキースイッチをはめ込んでいくだけなので、2、3時間で完成します。
売れ筋は、2万5000円から3万円くらいのキーボードキット。また、ファンクションキーやテンキー、カーソルキーのないタイプのものも人気が高いんだとか。僕も普段はそのタイプを使っていますが、慣れてしまうとまったく不便とは感じないんですよね。余計なキーがないためコンパクトで、ノートPCの上に載せて使っています。
いいキーボードは気分が上がる!
いいキーボードを使うメリットって、どんなところにあるんでしょう?
「自分に合ったキーボードを使えば作業効率がアップするのはもちろん、好みのキーボードを使うことで気分が上がるというメリットもあると思いますよ」(倉内さん)
確かに、いいキーボードを使うとついつい触りたくなって、原稿が進んだりしますからねー。いやー、ほんとにキーボードは大事だと思います。僕は今のキーボードに変えてから、腱鞘炎になりにくくなりました。神。
遊舎工房さんオススメキーボードキット
では、遊舎工房さんにあるキーボードキットをいくつかご紹介します。みなさんが知っているキーボードとはちょっと違うかも?
●Fjell Keyboard Kit (solder) 5万3900円〜5万6100円(税込)
ノルウェーのキーボードメーカー「Mekanisk」のキーボードキット。ファンクションキー、カーソルキー、テンキーのないいわゆる60%キーボード。とてもがっちりしたトレイを採用しており、真鍮のウェイト込みで2kgほどの重量になります。
キーボードは重いほど安定感が増し、打鍵音が静かになったりタイピングがしやすくなったりするメリットがあります。このキットのほか、別途スイッチとキーキャップ、Type-Cケーブルが必要になります。
●Choco60 rev.2 1万6500円(税込)
60%キーボードの左右分離タイプ。カーソルキーはありません。はんだ付けが必要なタイプです。キーキャップ、キースイッチは別売りです。Rev.2になってUSB-C対応になりました。キースイッチ以外の部品はプリント基板に実装済みなので、組み立てが簡単です。
●ErgoDash 1万4300円(税込)
エルゴノミクスタイプの左右分離型キーボードです。親指の辺りのキー配列が独特。ここに自分がよく使うキーを配置すると作業効率が大きくアップできます。自作キーボードはキー配列も自由に変えられるので、自分だけの配列にすることも可能です。キーキャップ、キースイッチ、左右をつなぐケーブルなどは別売りです。
●JISplit89 1万7600円(税込)
一般的な日本語配列キーボードに近いレイアウトの左右分割型。そのため、はじめての自作キーボードでもすんなりと移行しやすいという特徴があります。自作キーボードには珍しくファンクションキーもあります。ソケットタイプではんだ付けは最小限で済みます。キーキャップ、キースイッチ、3.5mmステレオミニケーブルが別途必要です。
●Keyboardio Atreus DIY kit 1万3200円(税込)
60%キーボードからさらに数字キーも省略したコンパクトなキーボード。このキットははんだ付け不要なので自作初心者向けですが、入力に関しては慣れが必要かも。キーキャップ、キースイッチは別売りです。
キーボードを変えると世界が変わる!
キーボードって、皆さん実はあんまり気にしていないかもしれません。でも、上質なキーボードや自分に合ったキーボードを使うと、その効果は絶大。だって、毎日何時間も触るものですから。いい万年筆の書き味が素晴らしいように、いいキーボードの打鍵感も素晴らしいんですよ。その違いは絶対分かるはずです。
いきなり自作キーボードはちょっと……という方は、まずはキーキャップだけでも交換してみては? 気分が変わりますよ。
リモートワークのためにいろいろ設備投資したけれど、キーボードはまだという方、これからでも遅くありません。今すぐ遊舎工房さんに行ってキーボード触ってみましょう! そして自分だけの最高のキーボードを見つけたら、それはもう一生モノになりますよ!
遊舎工房
東京都台東区上野3-6-10 ユニオンビル1F
営業日:水曜、金曜、土曜、日曜 13時~18時(土曜のみ11時開店)