新しいものづくりがわかるメディア

RSS


使うとき開いて終わったら畳んでポケットに——そんな有機ELディスプレイの実現へ大きく前進

窓ガラスのように向こう側が透けて見えて、カーテンのように部屋を飾り、ゴムのように2倍のサイズに引き伸ばすことができる——。そんな特性を持った有機ELディスプレイを、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のQibing Pei教授らの研究グループが試作した。

Pei教授らが開発した有機ELディスプレイは、元の形状・サイズから30%拡張するテストを1000回繰り返しても、問題なく動作した。元の形状・サイズの2倍にまで引っ張っても機能し、180度折り曲げて畳んでも、さまざまな方向にねじ曲げても不具合は起こらなかった。

この有機ELは、伸縮性のある1組の透明電極で発光層を挟み込んだ構造。透明電極は銀ナノワイヤをそれぞれ縦方向・横方向に張り巡らせていて、縦横のナノワイヤが重なる部分を1画素として表示できる。有機ELを構成するすべての層に使われている素材に伸縮性があり、折り曲げ・ねじりにも強いことから、冒頭で述べたような特性が生まれたという。

Pei教授はこの有機ELディスプレイの展望について「薄いフィルム状のトランジスタを開発できたことで、伸縮自在で壁紙のように薄い有機ELディスプレイが近い将来完成すると信じている。クリエイティブな電子機器のデザイナーたちが別次元の表現の可能性を引き出してくれるだろう」と語っている。

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る