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3Dプリント技術が義肢製造に起こす革新——Thomas Most氏インタビュー

3Dプリント技術を使うアーティストであり義肢装具士でもあるThomas Most氏が、3D Printer World Expoで「医療3Dプリンティングの革新」という講演を行った。3D Printing Industryが彼へのインタビューを報じている。

Thomas Most氏は、「Mostly Fantasy」という彼が運営するオンラインストアや、フリーランスの仕事、そして日中は補綴術(失われた体の一部を人工のもので修復する技術)のためにCADを使った3Dモデリングの仕事をしている。

Most氏は彫刻の学士号を持ち、補綴の道に進み、その後展示業界と玩具産業でもキャリアを持った。「はじめてSLA(光造形機)が動いているのを見た日から、この産業が私の個人的な作品に大きな影響を与えるとわかっていた。(リアルの)彫刻からデジタルへ移行することはかなり自然だった」とMostは言う。

デジタルの利点は、モデリングについて信じられないほどの自由を得るということ、時間と材料を無駄にすることなく仮想空間内で変更や繰り返しを行うことができること、また、プリントの技術や造形材料を簡単に切り替えられることだという。

彼は同じソフトフェアと製造工程が、芸術と補綴術に同じように使えることを示して、最終的に義肢学および関節・筋力回復術へと移った。

義肢装具士としての彼の研究では、3Dプリント技術で義肢ソケット(体と接する部分)を作ることは技術的に容易であり、経済的にも実行可能で、伝統的な製造法よも50%のコスト削減になること、製造時間や強度の面でも実用的であることを示した。

Most氏は現在、3Dプリントされた義肢ソケットの力について、業界と世界を説得する過程にある。3D Printer World Expoでも、ロンドンの3D PrintShowなどで講演を続けている。 

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