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「2020年に最高水準の3Dプリンタ」を目指す近畿大の計画を経産省が支援

近畿大学は2014年3月12日、産業用3Dプリンタ推進のために経済産業省が主導する平成26年度「三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム(次世代型産業用3Dプリンタ技術開発及び超精密三次元造形システム技術開発)」の採択予定者に選定されたと発表した。

今回採択予定となった近畿大学他30の企業・団体による共同プロジェクトには、近畿大学や東北大学をはじめ、すべて日本の企業・団体が参画する。3Dプリンタといえば海外メーカー製のものが主流だが、本プロジェクトによって世界最高水準の国産3Dプリンタを生み出す考え。2014年度から5年間で、三次元積層造形技術や、金属等の粉体材料の多様化・高機能複合化等の技術開発、鋳造技術の開発等を進め、その中で近畿大学はレーザービーム積層造形装置の基盤技術開発に当たる。「2020年にも最高水準の3Dプリンタの開発をめざす」としている。

具体的には、電子ビームとレーザービームの両方式で開発を進め、従来の海外製3Dプリンタよりも製品精度で約5倍、造形速度で約10倍の性能を持つ製品を、5000万円以内の価格になるように開発することを目指す。目標値として次のような数値を掲げている。

◆電子ビーム方式
1.最終目標(平成30年度末)
・積層造形速度:500cc/h 以上
・造形物の精度:±50μm 以下
・最大造形サイズ:1000×1000×600mm以上
・装置本体の販売価格:5000万円以下
2.中間目標(平成27年度末)
・積層造形速度:250cc/h 以上
・造形物の精度:±100μm 以下
・最大造形サイズ:500×500×600mm以上

◆レーザービーム方式
1.最終目標(平成30年度末)
・積層造形速度:500cc/h 以上
・造形物の精度:±20μm 以下
・最大造形サイズ:1000×1000×600mm以上
・装置本体の販売価格:5000万円以下
2.中間目標(平成27年度末)
・積層造形速度:250cc/h 以上
・造形物の精度:±50μm 以下
・最大造形サイズ:500×500×400mm以上

初めの2年間程度で主要な技術開発を集中的に行い、3年目の2016年度に厳正な評価をする。その結果、事業化できるものはプロジェクトから外し、民間や他の助成制度に委ねる予定。初年度の開発予算は約37億円。

このプロジェクトの成果としては、材料価格の低減、メンテナンス対応、設計ノウハウの流出防止が期待されていて、3Dプリンタ関連の知的財産権や国際標準化への対応、人材育成にも取り組むという。 

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