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ロールス・ロイス、旅客機エンジンに3Dプリントした大型部品を使用

3Dプリンティング技術関連メディア「3D Printing Industry」が報じたところによると、航空機エンジンメーカーの英ロールス・ロイスが、最新鋭の旅客機用エンジン「Trent XWB-97」に、3Dプリンタで製造した大型部品を使用していることが明らかになった。3Dプリンタで製造される航空機エンジン部品としては史上最大だという。

3Dプリンタで製造したのは、フロントベアリングハウジングと呼ばれる部品でニッケル合金製。直径1.5m×厚さ0.5m、内側に48枚の静翼を持つ超精密部品だ。従来の製造方法と比較すると、リードタイムが30%短縮されたという。Trent XWB-97はAirBusの「A350-1000」向けに開発されたエンジンで、陸上での試験を終え年内に飛行試験を実施する予定だ。

ロールス・ロイスでは、スウェーデンの3DプリンタメーカーARCAMによる電子ビーム積層(EBM:Electron Beam Melting)造型法を導入している。3D CADデータに基づく電子ビーム走査により、金属粉末を選択的に溶融凝固させ、繰り返し積層して造形する技術で、真空中で造形するため、酸化および窒化の影響がなく、高品質な金属製品の製造に適しているという。

ここで注目すべきは、試作ではなく、特殊な高強度素材を使用するため加工が難しく、高い強度と信頼性が求められる完成航空機の製造に3Dプリントが活用されるようになった点だ。以前から航空機製造の分野では3Dプリンタでさまざまな試みがなされているが、今後ますます利用が増えていくだろう。 

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